第14話

学校へ着くと、側仕えは中に入らないのでここでお別れをする。


「お嬢様、我々はここで失礼させていただきます。校内へ入られましたら教員室へ行ってください」

「わかったわ。また、学校が終わったら迎えに来てちょうだい」

「かしこまりました。それでは行ってらっしゃいませお嬢様」


千佳たちと別れ、1人で学園の門をくぐる。


ここで、ソリーナ女学園について説明するね。

ソリーナ女学園は国内一大きな女学校。幼稚園から高等部まであるエスカレーター式の学校で、敷地は隣り合っている。

さらに、中等部と高等部の校舎はつながついるんだって。なんでも、部活動や生徒会活動を合同でやっているから離れていると不便なんだとか。


また、『姉妹の契り』という制度がある。これは、高等部の生徒が中等部の生徒と『姉妹』となり、日常生活のマナーや学習を指導することを目的に作られた制度なんだって。


ちなみに今の話は、今朝お姉様に教えてもらったことなんだけどね。


あっ!説明し忘れたけど、ソリーナ女学園は私立じゃなくて王立。王族や御三家の娘はこの学校に通っているため、貴族の娘のほとんどもこの学校に通っている。


こんな事をしているうちに校舎にたどり着いていた。次は教員室を探さないと。


……10分後


この学校広すぎる!!

このままだと遅刻しかねないので、自分と同じ制服を着ている生徒に聞く事にした。


「あの、今日から編入するのですが教員室の場所が分からなくて……」

「教員室ですか?ちょうど私も教員室に用事があるので一緒に行きましょう」

「お願いします」


親切な子で良かった。

教員室までの間、お互いに自己紹介をした。案内をしてくれている子は下谷瑛良しもたにえいらちゃん。私と同い年で、家は一等貴族なんだって。


「着きました。ここが教員室です」

「本当にありがとうございました」


また会おうねと約束し、私は教員室の中へ入った。


……私ってどの先生の所に行けばいいんだ?教員室の隅で悩んでいると、誰かがこっちに来た。


「あのー、奏歌さんですか?」

「はい。そうですが」

「良かった。中々来ないので心配しました」

「少し迷子になってしまって。遅くなりすみません。ところであなたは?」

「あっ!紹介遅れました。私は奏歌さんが入る3年1組の担任、多賀瑞希たがみずきです。よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」


瑞希先生と一緒に教室へ向かいながら、授業について説明を受けた。先生によると、教科書などの教材は既に教室にあるらしい。

ちなみに、先生は凄く美人で頭もいいらしい。去年から新任でこの学校に来たんだって。


「ここが3年1組の教室です。私が、入って下さいと言ったら入ってきて下さい」

「分かりました」

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