第17話
教室へ入り、席に着くと同時に隣に座っている瑛良が口を開いた。
「瑠歌様とはどういう関係なの?」
「関係も何もさっき初めて会ったよ」
「瑠歌様と何を話したの?」
「編入して不安なことや不便なことが無いか聞かれただけだよ」
私はそんな調子で授業が始まるまでの数分間、瑛良から質問攻めされた。
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午後の授業も終わり、下校の時間になった。
帰りの会が終わり、私が荷物をまとめていると瑛良が「部活はやらないの?」と聞いてきた。
「私は最初のうちは真っ直ぐ家に帰るようにって言われてるんだよね。瑛良は何か部活をやっているの?」
「私は弓道部に所属してるよ」
「そうなんだ。瑛良に似合ってるし、かっこいいね」
「ありがとう」
ソリーナ女学園は貴族のお嬢様が多く通っていることもあり、武道や華道の部活動に力を入れている。
「ちなみに、柚希は剣道部で和葉は華道部なんだ。奏歌は部活に入らないの?」
「私はお母様から許可を得ないと入れないと思う。でも、前の学校では吹奏楽部でトロンボーンを吹いていたよ」
「そっか。でも、楽器が演奏できるのもかっこいいね」
これは余談だけど、前の学校の部活で吹いていたトロンボーンの他に、バイオリンとピアノは家で教えてもらっていたから演奏できる。
「ところで柚希たちは部活に行ったの?」
「うん。2人は
「大変そうだね。瑛良はいいの?」
「今日は少し遅く始まるから大丈夫だよ。私のお
今思ったけど、契りを結んだ姉をお契姉様って呼んで、血縁がある本当の姉のこともお姉様って呼んだらどっちも読みが同じだから、字に直さないと判別が難しいよね。
そんな話をしているうちに、私はそろそろ迎えが来る時間になったので瑛良に挨拶をして帰ることにした。
瑛良と別れ、馬車乗り場へ行くとすでに馬車は来ていた。馬車の横には桂花が待機していた。
花咲の運転で家に帰った私は、自室で今日学校で貰った課題をこなしていた。
課題に集中するために人払いをしているため、部屋には私1人だけだった。
集中が少し切れ始めた頃、誰かが扉をノックした。
トントン
「お嬢様、瑠歌様がお呼びです。お時間よろしいでしょうか?」
「えぇ大丈夫です。すぐにお姉様のところへ行きましょう」
私は急いで机の上に広げてあった教材を片付けて、部屋を出た。
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