第9話
「ここが奏歌お嬢様のお部屋でございます。瑠歌様と奥様が一通りの家具を揃えておりますが、足りない物があるようでしたらお申し付けください」
「多分、大丈夫だと思いますが一度確認しますね」
「かしこまりました、奏歌お嬢様」
松山が扉を開けてくれて、中に入った。
広っ!本当に1人部屋?部屋の中に部屋がある⁉︎
今、目に入っている部屋だけでも昨日まで住んでいたた部屋の2倍はある。部屋の中央には松山と同じ服を着た人が3人と、その他4人が居た。
「松山、この方たちは?」
「彼女たちは、奏歌お嬢様の側近となる者たちでございます」
「全員ですか?」
「はい。山城、自己紹介をお願いします」
松山がそう言うと、一番右に居た女性が自己紹介を始めた。
「お初にお目にかかります。側仕えの
「はじめまして。奏歌と申します。こちらこそよろしくお願いします」
山城の自己紹介の後、残りの6人の紹介を受けた。
側仕えの
荷物の片付けを終えた後、みんなに質問をしていた。
「みんなは何歳なのか聞いてもいいですか?」
「はい、大丈夫です。私、松山は今年で20になります。側近の中では私と山城が一番年上で、一番下は近衛と田村で、2人は今年で17になります」
私の側近はみんな若いから試しに年齢を聞いてみると、一番年上で20歳という答えが返ってきた。
一番年下が17歳ってことは、まだ学生?
私は驚き過ぎて、後ろに立っている2人の方を見て、聞いてみた。
「私と2つしか変わらないのですね。ところで、17歳ということは、2人はまだ学生なのですか?」
「えぇ、2人はまだ学生です。文官として必要なことを学んでいます」
松山に聞いた話によると、貴族は研究者になる人以外のほとんどの人は高校で、側仕え、文官、騎士のどれかの教育を受けるんだって。
どのコースを学ぶかは自分で決められるけど、ほとんどの人は自分の家が代々やっている職を選ぶそうで、代表貴族や一等貴族の家系は小さい頃から英才教育を受けている場合が多いんだって。
「ねぇ、松山。側近のことって下の名前で呼んではいけないのですか?」
私は、人を苗字で呼ぶことはあまり好きではない。側近のことも出来るのであれば、下の名前で呼びたい。
「そうですね。……側近の呼び方は主人の自由なので基本的には大丈夫です。ただ、奥様に注意された場合はやめた方がいいと思います」
「わかりました。それでは、下の名前で呼ぶことにしますね」
「かしこまりました」
質問タイムを終えて時計を見てみると、話し始めてから30分くらい経っていた。
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