第12話
お姉様が私に話したのは、私の双子の妹である
凛歌は本来なら、私が貴族として家に戻ってくるタイミングで一緒に戻ってくる予定だったらしい。
だけど、凛歌を預けた乳母一家の行方が分からず、 呼び戻すことが出来ないんだそうだ。
「ねぇ、お姉様。凛歌と私は双子なのですよね?」
「えぇ、そうよ」
「私達は一卵性ですか?それとも二卵性ですか?」
「一卵性よ。2人とはとても似ているから、同じ服を着ていると見分けるのが大変だったわ」
「そうなんだ。早く会いたいなぁ」
そんな話をした後、私とお姉様の今までの話を互いに話してお開きとなった。
お姉様の部屋から自室に戻って来た私はすぐに就寝の準備をし始めた。
側仕えが手伝ってくれたので、9時になった時には湯浴みも済ませ、あとは寝るだけとなっていた。
寝るにまだ少し早いのでベッドの淵に座って本を読むことにした。
私が本を読み始めて30分程経った時、千佳が寝室に入って来た。
「お嬢様、明日のことについて少しお話ししておきたいのですが、今よろしいでしょうか?」
「えぇ。大丈夫よ」
私は読んでいたページにしおりを挟み、本を閉じた。それを確認した千佳は話し始めた。
「明日の予定ですが、明日は月曜日なので、学校に行ってもらうことになります」
「学校ですか?」
あれっ?学校のことはまだ分からないってお母さん言ってたけど、もう決まったのかな?
「はい、学校です。先程、奥様よりお話しがありました」
「それで私はどこの学校に通うのですか?」
「お嬢様が通うのは王立ソリーナ女学園です。申し訳ありませんが、前の学校から転校していただくことになります」
ソリーナ女学園⁈……やったーーー!
ソリーナ女学園と言えば、3等級以上の貴族もしくは、学業で優秀な成績を修めなければ入れないという一般人からすると雲の上の学校だ。簡単に言うと、超お嬢様学校で超進学校なんだ。
「制服は既に届いているので、明日の朝お渡しします。教材などに関しましては学校で受け取ることになっております。説明は以上ですが、何か質問はございますか?」
「勉強の進度はどう調整するのですか?」
私が通っていた学校は進学校という訳ではないので授業についていけるのかが心配だった。そもそも前の学校は公立なので教科書が違うのだ。
「勉強の進度につきましては、私も気になったので奥様に聞きました。奥様によると心配はいらないとのことです。
「……分かったわ。とりあえず明日、学校に行ってから考えることにします」
私はそう言うと、さっき読んでいた本を千佳に頼んで本棚に戻してもらい、ベッドに入った。
私がベッドに入ったことを確認した千佳は部屋の明かりを消して、ベッドの天蓋を閉めた。
「おやすみなさいませ、お嬢様」
「おやすみなさい」
目を閉じると、生活環境の変化に疲れていたのか、私はすぐに眠りについた。
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