雷光のアインヒューズ　－AINHUZE OF THE THUNDERBOLT－

『憑依』とは本来そのものに備わっていない力を付加させることが出来る能力である。

例えば、炎であれば炎を。水であれば水の性質を十分に理解し体内で制御し体外に放出する。

属性を体内に、もしくは体外の物質に『憑依させる』という意味での憑依である。
平たく言ってしまえば要はエンチャントの類いだ。

一口に憑依と言っても使いこなすには属性を制御するだけの力、属性を理解するだけの明晰な頭脳が必要となる。

そんな異能と隣り合わせの世界の小さな村に一人の『憑依使い』がいた。彼の名はエリック・アインヒューズ。
彼は弟のシドと共に村を発つ。母の仇である父を見つけその真意を聞き出すために。