黒いガラケーはオーパーツ?
本日の出来事。
ショッピングモールの本屋を出て店内を歩いていたら、道すがら見知らぬおじいさんに声をかけられた。このご時世にマスクもしておらず、伸びっぱなしの白髪交じりの髭が丸出しで両手の爪には全て絆創膏が巻いてあった。
びっくりして話を聞くとおもむろに黒いガラケーを見せられ、「これが朝の九時から九時半まで勝手に電源が入るのだがどうにかならないか」となぜか私に言われる始末。
私は私で断ればよいものの素直にそのガラケーを触り(許可は取った)、ボタンのカチカチ感を懐かしく思いながら設定を見てみたが当然店員でもないのでさっぱり原因がわからない。充電は残り僅かで、画面がいつ真っ暗になるかひやひやした。
結局「SoftBankに行って見てもらった方がいいですよ」と無難なアドバイスしかあげられず、おじいさんも意外と素直に引き下がった。
あれは何だったのだろう。
仮説①
おじいさんはなんらかの事情で携帯電話ショップに出入りすることができず、機種変更する手段もなく、通行人にガラケーを直してもらうしかなかった。
仮説②
もしくは他人の指紋データを採取する近未来の詐欺だった。すごい。
仮説③
もしかして私の指紋だけが必要だったのだろうか? だとすると私は何か巨大な歯車の中に知らず巻き込まれている。
仮説④
あのおじいさんは並行世界の私自身であり、携帯電話のロックを解除するために自分の指紋が必要だった。つまり私がガラケーに触った時点で目的は達成されている。
すなわち、彼はもう困っていないということになる。これにて一件落着一安心。
人助けは気持ちのよいものだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます