金魚とアロワナ

 ドラマや映画だと、アロワナを飼っているのはだいたい悪役だ。

 悪人に飼われる魚、アロワナ。印象も飼い主も悪い。

 アロワナを飼える余裕がある=お金持ち=悪銭を身につけた者、というイメージだろうか。わかりやすいと言えばわかりやすい。

 悪人は基本的に懐に余裕があるものだ。

 しかし、同じ魚でも金魚はどうだろう。

 飼っているのは素直な子ども。死んだらちゃんとお墓も立てる。墓標の代わりにアイスキャンディーの棒を立てる絵面までありありと浮かぶ。

 飼っている魚によって、その人の人柄をある程度は操作できるのかもしれない。

 ただ不思議なことに、アロワナよりも高級そうな錦鯉を飼っている人は、人の好いおじいさんのイメージがある。

 そしてそのお孫さんは金魚を飼っているに違いない。

 魚を通して、人となりが見える。

 魚の泳いでいる水面には、飼い主の人生が映っているのだろう。

 あなたの水面は、澄んでいますか?

 ちなみに私は何も飼っていません。

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