魂の循環

 もし仮に亡くなった人が全員幽霊になっているとしたら、地上は幽霊で満員だろう。

 幽霊なのでお互いにぶつかることはないだろうが、さぞかし窮屈に違いない。

 地上どころか、海上にも幽霊が立って埋め尽くしているはずだ。幽霊には足がないので、文字通り足の踏み場もない。

 あるいは地球上の面積を幽霊が上回らないように、天国や地獄があるのかもしれない。

 しかしその天国や地獄も一杯になったらどうするだろう。

 そう、生まれ変わらせて地上へ新しい生命として、肉体とともに送り出すのだ。

 幽霊とは、水の循環システムのようなものだ。

 人は死んで蒸発して天に上り、それから再び肉体を得て雨のように地上へ降り注ぐ。

 こうして人間は回っていく。それはそうと回転寿司食べたい。

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