本の海の中で、深呼吸をする。
こんな情勢なので、今は本屋に行くのも必死で我慢している。
自分は普段、常に水の中で息を止めて生活しているようなもので、本屋に行ったときだけ存分に深呼吸ができていた。
もちろん自宅、自室にも素晴らしき本の山はあるのだが、さすがに書店の本の海には及ばない。
まだ見ぬ本に三百六十度囲まれて、ようやく自分は呼吸ができるのだろう。
その息継ぎも、今だけは控えようと思う。
再び本の海に潜り、自分の電源が点くその日まで、今はただじっと息を殺している。
そしていつか、いつものように堂々と本屋を訪れて、本の匂いと気配を全身で感じながら、思いっきり読書の肺の中の空気を入れ換えてやるのだ。
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