━☆ 》10話~漲る力の源よ。蘇れ♪
私は夢の世界で目を覚ます。白い五角形の壁にステンドグラス風の天井……じゃない?! 目の前に広がるのは、木のグリーンと青空のブルー。
うん? 外?
「おかえり。なつめ」
「あ、シシリー。ただいま」
そうだった。私は寝袋の中から離脱したんだった。その為、寝袋に包まっていた。
《プレイヤーレベルが11になりました》
うん? あ、そっか。昨日、離脱後に
「ミチル、INしてるかな?」
「フレンドで確認してみたら? 名前の前が明るくなっていたらINしてるわよ」
「なるほど。ありがとう。フレンドオープン」
契約フレンド【○ミチル/メインジョブ:剣士/ランク:3】
「あ、INしてるね」
まだランク3のままだ。
シシリーの言う通り、ランク4には上げづらいみたいね。
じゃ話掛けますか。
「ミチルへ――こんにちは。なつめです。INしました。……どうぞ」
『おぉ、INしたか。今からそっちに向かうから。一時間待ってて!』
「ミチルへ――ありがとう。お願いします。……どうぞ」
よし! じゃ待っている間にまた、歌のランクアップをしますか。って、まだ全回復してないや。全回復する前に離脱になったんだった。
私は、待っている間暇なので、ステータスを確認する事にする。
「ステータスオープン」
【名前:なつめ | レベル:11| 経験値:6,904 | メインジョブ:神官ランク3】
【HP:22/22 | MP:11/11| SP:12/26】
【メインジョブ:神官 | ランク:3 | サブジョブ:魔法使い(火系)/詩人】
神官【MP+10/SP+20/HP回復+2/MP回復+1/SP回復+1/
サブ補正 魔法使い(火系)【魔法攻撃力+1/
詩人【歌/マッピング】
【HP:22|MP:11|SP:26|物攻:1+1|魔攻:0+1|物防:0+1|魔防:0|物クリ:0|魔クリ:0|腕力:1】
回復【HP:2+1|MP:1+1|SP:1+2】
数分後私は、寝袋から出た。
「うーん」
両腕を上げ、ぐーっと私は背中を伸ばした。
「さて、やりますか」
手を胸に当てる。
「歌をランクアップ!」
《歌がランク5になりました》
そっか。もう5なんだ。歌っていくつまであるんだろう。
私は、寝袋に潜り込む。
9分って長いよね……。ただ待つのって暇だなぁ……。
あ、そうだ。今度は、ファイヤーを確認して見よう。ランク2にしたんだよね。
「ステータスオープン」
おぉダメージが倍になってる! 消費は1増えただけだから連続して3回使えるんだ。一度使ってみたいかも……。
うん? ランクの後ろの数字って何だろう?
「ねえ、シシリー、ファイヤーのランク2の後ろの数字って何の数字?」
「それはですね。ランクアップまでの使用回数ですね。200回使用するとランクアップしますって事です。大抵のものは、ランク2になるのは10回程です。次からは色々ですね」
「そうだったんだ。じゃ200回使えばランク3になると……」
「歌のような感じのは、どれか歌えばカウントされますよ」
「そうなんだ」
歌も見てみようっと。
歌【ランク:5(15,000)/HP回復の歌・物理攻撃の歌・魔法攻撃の歌・物理防御の歌・魔法防御の歌】
ランク5は魔法防御を覚えたのね。
ランク6になるのには15,000回も歌わなくちゃいけないのか……。戦闘をしない様にするとか関係なしに、やっぱりランクアップスキルで上げるのがいいわね。
はぁ。暇……。
やっと9分経って、寝袋から這い出る。
「さてと……歌をランクアップ!」
《歌がランク6になりました》
もそもそと寝袋に入る。
これ寝袋で何か出来ないかな? 確認だけだと飽きるんだけど!
「ねえ、シシリー。寝袋の中で確認以外で出来る事ってある?」
「そうねぇ。特段ないわね。あえて言えば寝る事かしら? その寝袋って寝ている場合は、全回復すると起こしてくれるのよ」
シシリーは人差し指を立てニッコリと凄いでしょと言わんばかりに言った。まあ本来寝ているんだし、夢を見ないで寝ている事になるのね。
でも毎回、9分間で寝れるわけないじゃない……。
はぁ……。
「ステータスオープン」
私はHP回復の歌でも覚えようと歌を見た――。
歌【ランク:6(15,000)/HP回復の歌・物理攻撃の歌・魔法攻撃の歌・物理防御の歌・魔法防御の歌・SP回復の歌】
SP回復ですって!!
SP回復の歌【歌詞:研ぎ澄まされた技を使う者の癒しの時間。
「ねえ! 歌ってチーム組んでなくても効果ある?!」
私は叫んでいた!
だって歌うだけで回復だよ? 一分だっけ? 待てばまた回復出来る! 計4分だよ! いや3分! それで全回復!
「出来るわよ。自分にしか効果ないけど……。あぁSP回復ね」
「SP回復ね。じゃなくて……もういいや。これ覚えよう!」
「うふふふ。元気になってる」
えっと。研ぎ澄まされた技を……って、これ見ながらでもOKなのかな?
「ねえ、これ見ながら言って……歌ってもOK?」
「大丈夫よ。ちょっとでも間違ったら発動しないから気を付けてね」
「OK! ありがとう」
私は寝袋から出ると一回深呼吸して歌い始める。
「研ぎ澄まされた技を使う者の癒しの時間。漲る力の源よ。蘇れ♪」
一瞬、自分の体が光に包まれた。
恥ずかしかったけど、歌い切ったわ!
SPを見れば、7回復していた。
私は一分待ってまた歌う。
「研ぎ澄まされた技を使う者の癒しの時間。漲る力の源よ。蘇れ♪」
また7回復した。
あぁなんて便利なんでしょう!
初めてランクアップスキルが、本当の意味で役に立った気がするわ!
でもこれ、一字一句間違わない様にしないといけないから、歌をランクアップするのはもういいかな。HP回復の歌を覚えて、このSP回復と一緒に使って行けば、そのうちランクアップするだろうし。
一回普通にランクアップも体験してみたいしね。
あ、一分経った。
「研ぎ澄まされた技を使う者の癒しの時間。漲る力の源よ。蘇れ♪」
体が光に包まれる。
よし後一回。
SP全回復したら地図をランクアップするかな。あ、そう言えばこういうのってどうやってランクアップさせるのかな? 使用回数?
私はマッピングを見てみた。
マッピング【ランク1/簡易地図を見る事が出来る】
ランクの後ろに数字がないから回数ではないね。
「ねえ、マッピングって普通はどうやってランクアップさせるの?」
「マッピング? 必要なアイテムを集めて神官に寄付をしてランクアップしてもらうのよ。ところで、寝袋はしまわないの? 忘れるわよ」
シシリーは寝袋を指差し言った。
すっかり忘れていたわ。
私は慌てて、寝袋を腰に付けた。
マッピングみたいなのは、アイテムを集めなくちゃいけないのか。そう考えると他の人達は大変ね。偉大だわ、ランクアップスキル!
「余計なお世話かもしれないけど、もう一分経ってるわよ」
「あ!」
考え事していたら忘れていたわ……。えっと……。
「研ぎ澄まされた技を……何だっけ?」
ダメだ。3回も歌ったはずなのに忘れちゃってるよ……はぁ。
「っぷ」
「笑ったなぁ!」
もう! 見てなさい! その内、全部の歌を覚えてやるんだから!
「そうだ。一つだけ忠告だけど、歌はランクが上がれば歌詞も長くなっていくからね」
「え……」
そう簡単にはいかないのね……。
うん。まずはHP回復の歌とSP回復の歌だけは覚えよう!
「ステータスオープン」
SP回復の歌【歌詞:研ぎ澄まされた技を使う者の癒しの時間。漲る力の源よ。蘇れ。/効果:チーム全員のSPをそれぞれ25%回復する】
私は歌の内容を確認した。
「研ぎ澄まされた技を使う者の癒しの時間。漲る力の源よ。蘇れ♪」
体が光に包まれ、SPが全回復した。
よし! マッピングをランクアップしよう!
「マッピングをランクアップ!」
《マッピングがランク2になりました》
それで次は歌っと。
SP回復の歌を表示させる。
「研ぎ澄まされた技を使う者の癒しの時間。漲る力の源よ。蘇れ♪」
体が光に包まれる。
取りあえず、SP回復の歌は、回数をこなせば歌えるようになると思う!
HP回復の歌は、これより短かったはずだから覚えよう! 主に戦闘で使うんだし。
こうして私はマッピングをランク5まで上げた。
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