━★ 》9話~噂の神官
パチ。
そういう効果音付きなぐらいの目覚め。
天井が見える。ここは自分の部屋――。
「凄い。ちゃんと覚えてる!」
夢なんて今まで数度しか覚えていた事なかったいのに!
シシリーにミチル。なんかファンタジーの世界にいたみたい。ってファンタジーのゲームにいたんだよね? でも夢としての記憶。不思議……。
ぽふん。ぽふん。
私は枕を軽く叩いてみた。
不思議な枕ね。結構楽しかった。明日もって約束したし、今晩も使いますか。
着替えを済ませ、朝食を取る。
「いただきます」
「どうだ。あの枕は?」
お父さんが聞いて来た。
まあ気になるよね。
「楽しい夢を見れたよ」
「そうか。お父さんも買って……」
「あんな高いモノ買いませんよ!」
お母さんは、最後までお父さんの台詞を言わせずピシッと言った。
ブルブルブル。
うん? 電話だとスマホの画面を見ると、おじいちゃんからだった。
「もしもし。おじいちゃん? おはよう」
『おはよう。どうだ、夏萌? 枕の寝心地は?』
「うん。凄いばっちりの朝の目覚めだよ! 買ってくれてありがとう」
『そうか。よかった。で、仕事はどうだった? どんな感じ?』
あ、そっか。おじいちゃんは、ゲームだと知らないんだっけ?
「えっと、私、神官になったよ!」
『何? 神に仕える仕事も体験できるのか!』
「うん。まあ……」
『わしもやってみるかな』
「え!? おじいちゃんが?」
『しかし病院で検査しなくちゃいけないんだよ。その枕に年齢制限があってな、70歳以上は診断書がいるらしい。枕なのになぁ……』
「そう、なんだ。じゃ、私がどんな感じかまた教えるよ」
『そうか。それは楽しみだ』
「あ、じゃ遅れるかまた後でね」
『そうだったな。いってらっしゃい』
「いってきます!」
私はスマホを鞄にしまった。
そして、朝食を食べ終わり元気に大学へ向かった。
夜が待ち遠しいよ――!
━☆・*。・+ °。+ *°。°。+ *°。°。+ *°。
☆彡In the dream world 《自由掲示板》
ホーム》コミュニティ》自由掲示板
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
慈悲深い神官現る! ――No.112
ドラゴンキラー ID:A12569
何かクエストを少しの寄付で肩代わりしてくれる神官が現れたらしい。
情報求む!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
みっちー ID:B88852
あ、それ知ってる。けど内緒。って、一日限りみたいだぜ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
叩かない武闘家 ID:A74152
そう言えば、北9で神官見たって聞いたな。そいつか?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ドラゴンキラー ID:A12569
知っているなら教えろよ。みっちー。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
風使い ID:C55821
その話俺も聞いた。プレイヤーの神官だったんだ!
って、一日だけのご奉仕?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
みっちー ID:B88852
再開の情報が入ったら書き込むよ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ドラゴンキラー ID:A12569
宜しく頼むぜ。
━☆・*。・+ °。+ *°。°。+ *°。°。+ *°。
「ふう」
私はベットに腰を下ろした。夕飯も食べお風呂も入った。後は寝るだけ。
時間を確認すれば21時半にもなっていない。昨日は0時過ぎに寝たから今日は昨日よりだいぶ早い……けど、寝ちゃおうかな。
あ、この枕使うと、早寝早起きになるかも!
子供も大人も喜ぶ枕だね。
もう寝ちゃいますか。ミチルがINしていなかったらランク上げしてればいいし。
私は枕の上に頭を乗せた。
《
私はまた夢の世界に旅立った――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます