━☆ 》27話~王都に向かう事になりました
「とう!」
ザン!
にわとりの様なモンスターは、ミチルの一撃できらきらと消滅する。
ランク5にする為にレベル上げに、狩り? に来ている。
こういう風にレベル上げ目的に、モンスターを倒すのを狩りと言うと教えてもらった。
まあ、鳥のモンスターだし、それであってるのかな?
《プレイヤーレベルが19になりました》
あ、レベルが上がった! たぶん20体以上倒したと思う。……倒したのは、ミチルだけどね。
そういえば、こんなに簡単に上がるのに、何でみんなランク低いんだろう? お金がないから?
「ねえ、他の人ってレベルどれくらいなんだろうね」
「さあな。レベルは見えないからな」
「思ったんだけど、こんなに簡単にレベル上がるのにランクが低いって、お金がかかるからなのかな?」
「簡単にって。お前なぁ……歌しか歌ってないだろう!」
「ひゃぁ」
何か怒鳴られちゃった……。確かに楽してますけど。そう言う意味じゃないんだけどなぁ。
「普通は、倒しても経験値は少ないのよ」
そうシシリーが言った。
「たぶん、この敵を倒しに来たとしてチームは3人以上で来るはずだ。剣士のスキルの攻撃力UPは、武器の攻撃力を上げるスキルなんだ。だから武器の攻撃力が小さいとあまり意味がない。なつめの歌は、攻撃力の合計だろう?」
「そうだったんだ」
そう言えば、経験値ってチームで分けるんだっけ? 3人なら3分の1か。確かに、シシリーが言う様に少なくなるね。
「あと、攻撃を受けたとしても戦闘中は、回復する手段が神官がいないのならアイテムしかないから必然と弱い敵の所に行くのよ。最初の所から村までの間の道は、敵がソロでも倒せる様な強さだから経験値は少ないわ。でも、コアはドロップするのよ」
「このモンスターだって、攻撃食らえば結構減る。俺はゼロだけどな」
「鎧のランクを上げるか、サブのジョブで防御系やHP系のを選んでないと、攻撃を受ければ即死亡でしょうね。レベルが上がっても物理防御は増えないからね」
「……そうなんだ」
「サブの選び方次第よ。攻撃力をガンガン増やすとかバランスよくとか。盾になるとか。メインにもよるけど、サブ次第で変わるわよ」
「俺は、ユニークの鎧のお蔭で物理防御の方は何も考えなくていいから、攻撃型を狙っていたんだけどなぁ……」
「あら、ある意味魔法系無効を選べば、全魔法吸収に物理防御も高い剣士の出来上がりじゃない?」
「盾としては、パーフェクトだな!」
「武器は、宝箱からゲットを狙えばいいのよ。イベントで手に入れるって手もあるわね」
「なるほど。その路線で行くかな」
「そうなってくれると、心強いわね」
何か二人で盛り上がってる。
ミチルの防御が凄かっただけなんだ。
でも逆に攻撃力強いサブを選べば、サクサク倒せるって事よね。攻撃さえ受けなければ……。って、受ければ即死亡か。なかなか難しいのね。
普通の人は、武器・防具は、神官にランクアップしてもらうから、それを上げるのも大変なんだ。
「じゃ、次は、氷系のエレメントガードとるか? そうしたらなつめの魔法攻撃も敵に効くだろう?」
「そうだけど。素の魔力がないからねぇ。魔法使いの様にはいかないのよ」
「なるほどな。あ、じゃお金でも稼いでおく? 俺、飽きた」
うん? 何か飽きたって聞こえたんだけど。
「そうね。どうせランク戦終わるまではランク上げられないし、そうしましょうか」
「そうだ。俺、ランク4になったし、
「そうね。あ、そうだわ。清めた水の搬送ってあるからそれにしない? なつめと二人して請け負って、王都に行くのよ」
「いいね! 歌があれば行けそうだな」
って、何か勝手に話が進んでいるわ!
「ちょっと待って! 勝手に話し進めないでよ」
私は慌てて、二人を止めた。
「はい。シシリーの出番」
「あいよ。いい? 効率よく行きましょうって事よ。仕事を請け負って王都に行くの。道端に出て来るモンスターは、このモンスターよ。ただレアが行く道を塞いでるって事よ」
「事よって。ところでレアって何?」
「レアモンスターの事だ。一回チラッと遠くから見たけど……。まああれだ。倒さないと王都に行けないって事だ」
ミチルが補足してくれたけど、見たけどって濁したのは何故?
って、大丈夫なのかな? もう怖いの嫌なんだけど……。
「いいでしょ? なつめ」
そう言ってシシリーが賛同を求めて来る。
確かに同じ敵を倒すレベル上げは、飽きるのよね。
シシリーとミチルが連携を組めば、そんなに危なくないよね?
前回は、他のプレイヤーのせいで死亡したんだし……。
「わかったわ。二人を信じる」
「それじゃ、戻って仕事を請け負いましょう!」
シシリーが張り切って言った。
━☆・*。・+ °。+ *°。°。+ *°。°。+ *°。
ブーン。
あれは何? 大きなハチが道端を塞いでいた。
もしかして、ミチルが言葉を濁していたのってモンスターがハチだったから?
「聞いてない!」
「言ったら嫌がるだろう?」
「やっぱり! 嫌がるからハチだって言わなかったのね!」
「もう今更つべこべ言わない! ほら、なつめ。物理攻撃と物理防御の歌よ」
仕方がないので、シシリーの言う通り物理攻撃と物理防御の歌を歌った。
ミチルが走り出す。私も後を追った。
「なつめは止まって、ガードよ!」
「ガードチェンジ!」
「攻撃力UP!」
私は、シシリーの指示通り止まってガードチェンジをミチルは、そのまま走りながら攻撃力UPを唱えモンスターに斬りかかる。
ザン!
20%ちょっとモンスターのHPは減った!
ザク!
「いてぇ!」
ミチルは、ハチの尾に刺された! って、HP減ってないわ!
「おぉ! 食らわないのか……って? 何故今減る!」
「毒を食らったのね」
「食らったのね。じゃねぇ! そう言うのは、先に言ってくれと言ってるだろう!」
そう言いつつミチルは、ハチのモンスターに斬りかかる。
モンスターのHPも減ったけど、攻撃を受けていないミチルもHPが減っている。
「ねえ、あれってやばいんじゃないの?」
「そうね。じゃ、ミチルにクリーンアップを唱えて毒の除去。それからHP回復の歌を歌いましょうか」
「あ! それがあったわね! クリーンアップ! 優しい風よ。傷を癒せよ」
クリーンアップを唱え、ミチルの毒を除去した後、HP回復の歌でHPを回復した。
「毒は、10秒ごとに最大HPの10%のダメージを1分間受けるの。一回だけならHPが半分になるだけだし、ミチルは通常攻撃はダメ受けない様だし慌てる必要はないわよ。あ、なつめMP回復も歌っておいて」
「うん」
「最初から知っていれば、慌てないけどな!」
私が、MP回復の歌を歌うと、MPがMAXになった。
ミチルは、文句を言いつつモンスターに斬りかかる。モンスターは、HPが半分を切った。
「おっと!」
またカウンターで尾の攻撃が来るもミチルは交わす。そして、斬りつけた!
あと一回の攻撃で、モンスターは倒せるわ!
「じゃ、なつめ。ファイヤーよ!」
「え? あ、うん。ファイヤー!」
ぼふん。
私のファイヤーで、ハチのモンスターにとどめを刺し消滅した!
「ちょ! だから最初から参戦させろよな!」
「それは無理よ。受けた攻撃が高い相手に襲い掛かってくるからね。とどめの時じゃないと、なつめが危ないでしょう」
「だったらそういう作戦、俺にも伝えてくれよな!」
「ふふふ。緊張感あっていいじゃない」
「俺で、遊ぶな!」
ミチルは文句を言いつつ、モンスターが消え去った後に残された戦利品を拾う。
「コアが六個だな。うん? なんだこれ?」
そう言ってミチルが掲げたコアには、ハチの尾のマークがあった。
「あら凄いじゃない。レアジョブよ。MPを消費して攻撃に毒の付加をつけるのよ」
「MPかよ!」
「まあ、ミチルが使いたいならMPがつくサブを選んでからじゃないと意味ないわね」
「剣士のにあるのかよ!」
「あるわよ。エレメントガードをサブにしたから『マジカルアタッカー』が次にあるはずよ。それにMP+20があるわ」
「それって、どんなの?」
「攻撃に魔法の付加を付けるの。エレメントガードのサブの数だけ付加の数値があがるのよ。まあ、エレメントガードを選んでいく気があるのならお薦めよ。ボスにも効く攻撃だからね」
「なるほど。じゃ次はそのサブにするかな。と、いう訳でこれはなつめにやるわ」
杖のコアと一緒にミチルは、そのコアもくれた。
って、魔法攻撃でも毒ってつくのかな?
「これって、ファイヤーにもつくの?」
「つくけどMP3消費するし、攻撃毎に付加しなきゃいけないから出来れば弓を手に入れて、狩人をサブにして弓攻撃の方がいいと思うわ」
「それって、弓が手に入らないと使えないって事じゃないの?」
「じゃ、次は、弓を手に入れにいく?」
「おぉいいね。戦力歓迎!」
「えぇ!? それって強い敵の所なんじゃ……」
「いいじゃん。世界一周するんだろう? 攻撃出来るサブがあった方がいいって」
ミチルに言われて思い出したけど、そんな事も言ったっけ……。
はあっとため息をついて、私はコアを鞄にしまった。
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