第19話 第一次撃滅作戦
今朝、自衛隊の総戦力と戦闘可能な民間人が集結した。そしてこの駐屯地のトップからの説明を聞いた。
これから実施されるのはこの騒動における寄生された
第一次は地方における宿主の撃滅。第二次で地方戦力の終結および更なる撃滅。そして第三次は被害の大きい都市部の完全撃滅。
これは今日をもって全国で作戦行動が開始される。第二次作戦までを迅速に終わらさせなければ都市部の戦力が全滅する可能性もある。初期段階が重要だ。
まずは第一次作戦。この地区は自分の町と比べると倍以上の人口が居たためその分被害も大きい。
そこで考えられた作戦は、まず近くに広い砂地があるためそこのど真ん中にスピーカーを設置し大音量で音楽を流し続け、奴らが集まったところを総攻撃を加える。単純だが奴らの習性を利用した最も効率的な方法だ。障害物も少ないため攻撃がしやすく、何より入り組んだ街中で戦うよりずっとこちらに有利だ。
早朝に隊員がスピーカーを仕掛け、昼あたりまでずっと音楽が流れ続けた。そして攻撃開始時刻。
砂地には一万ほど溜まっていた。
「こちら準備完了、いつでも発破できます」
集まった民間人の中には仕事柄爆薬を使う人もいる。仕事場から奴らに見つからないように集め設置した爆薬。さらに周りを鉄片や釘などで囲みさらに殺傷能力を高めてある。あとは発破するだけ。
「発破ぁ!」
隊員の声と共に遠くで砂埃が高く舞い上がり、それと同時に音が心臓に響く。さらに地面が大きく揺れる。ガスボンベや不要になったタンクローリーなど爆発させれるものはなんでも集めたため想像以上の爆発が起きた。
爆風と破片、そして熱で死に絶え偶然にも残った奴らも体のどこかが吹き飛び脅威でなくなっていた。そしてここからが民間人の活躍できるところだ。
何度か燃え残ったボンベなどがひとしきり爆発し終えたあと、消防車で放水を行い総動員で掃討を行った。囲むようにして前進をして生き残ってる奴がいたらトドメを刺す。確実に。
自分も自衛隊のピッケルを使い進んでいった。予想通りと言うべきかやはり炭化したしたいしか残っていなかった。
「なあ文紀」
「どうしたカズ、そんなしけたツラして」
「一瞬だったな、あれだけいた町の人々が一瞬にして炭だ」
確かにそうだ、でもそんなことは考えないでいた。生きるために仕方ないんだと。
「ああ、でもそれはこれが全部終わった後に向き合おう。今考えることは、生き残ることだ。だって仕方がないだろ? 美香も秋奈も田中もカズだって、今出来るのは奴らをぶっ殺すことだけ」
「わかってる、わかってるさ」
カズは俯いてそう言うと、自分からピッケルを借りて、少しだけ動いた死体の頭に一気に振り下ろした。
「終わったらだ、全部終わったら考えよう」
そうやって全員で一体と残らず頭を砕いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます