日常

 最終決戦が終わり、自分は地元へと戻った。最初の一年は一人で孤独な日常を過ごした。町には誰もいない、自分一人。

 一年後、カズと美香が生きてると知った。その時は心から喜び抱き合った。そして田中も生きておりどこか旅に出たことを知って北の大地を探し回り、北部で再会を果たし四人で地元に戻った。佐々木さんと浜崎さんも帰って来たが秋奈は都市に残ったっきりだった。生きてるのか死んでるのかもわからない。

 それから数年後、カズと美香は東部に行き、田中も旅に出た。


 現在、あの騒動からは数十年が経ち、自分も歳をとった。地元はあの頃まではいかないが人口も回復した。

 自分の日常だったあの頃には戻れない。でも今自分ができることは今の新しい日常を守り、次の世代に繋げることだ。




 神河文紀。地元の復興に尽くし、その最期は自分の家で迎えた。誰にも看取られることはなくそのまま無名墓地へと埋葬された。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Eater Of the Dead @siosio2002

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ