第29話 日常へ

 あの決戦から数ヶ月。地元に戻り今までの日常を取り戻すことに精を出していた。武器は捨て、今はできる限り普通の生活をしている。

 町の人口は殆ど居なくなり、静けさが包む毎日を過ごしていた。

 寄生虫の宿主となり、自分達が己の手でトドメを刺してきたかつての友人や、この町の住人達はまとめて火葬され集団墓地に埋められた。


 あの時何があったかは一部の生き残りしか知らないだろうが、俺は一生忘れない。たとえ完全な日常が戻ろうとも、絶対に。

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