第24話 防衛から追撃戦

「みんな中に入れ!」


 建物の二階から声が聞こえた、田中だ。そして機関銃と思わしきものが窓から突き出ていた。


「行くぜ!」


 そして発砲炎と共に何発もの薬莢が上から落ちてくる。焦って建物内に入り二階に向かうと他の窓にも並んでいた。


「みんなそれを使え!」


 トリガーハッピー状態の田中の声が乾いた音の隙間に聞こえる。自分もすぐに近くの窓に設置された機関銃を手に取りトリガー引いた。すると一瞬にして大量の奴らがバタバタと倒れて行った。爽快だ。

 それから弾倉を空にするまで撃ち切るとようやく静けさが戻った。そして残ったのは大量の薬莢と死体。


「まだ残ってる奴らがいるぞ!」


 浜崎さんがそう叫んでライフルを構え所々残る奴らを狙撃し始める。銃声に引き寄せられさらに寄ってくる。建物の東側を浜崎、佐々木さんが撃ち始めた。

 田中は機関銃と大量の弾倉を抱え、外に出ると芝生の上に機関銃を置いてさらに撃ちまくった。


「カズ、私たちも行くわよ」


「ああ、わかった」


 カズと美香は北側へと飛び出した。カズがボウガンで奴らを倒してる後ろを美香が守り矢を回収しながら戦う。


「秋奈、俺たちも行くか」


「ええ、勿論」


 そう言って銃剣を抜き、立てかけておいたシャベルを持った。そして南側に出た。秋奈が突撃する前にガスボンベを力一杯投擲して奴らのど真ん中で拳銃を撃った。

 奴らが火に包まれると秋奈がさらに突っ込む。そして四方全てが防衛線を敷かれた。


 それから数時間、赤い夕日が自分たち七人を照らした。遂に一体たりとも寄ってこないほど撃滅した。皆殺しにしてやったんだ。

 機関銃を片手に抱えて硝煙の匂いがこびり付いた田中。

 頭から引き抜いたばかりで鮮血の付いた斧を持つ美香

 ボウガンを背負い矢の血を振り払った一晴。

 シャベルを地面に投げ捨てて銃剣を鞘にしまう秋奈。

 猟銃に弾を込め背負う浜崎と佐々木。


 そして自分は弾がなくなりスライドロックの掛かった拳銃を地面に投げ捨てた。金属が地面に擦れる音がこだまする。矢も無くなり残ったのは何度も骨を砕いて切り裂いた刃こぼれしたナイフ。

 周りに残るのは小銃にライフル、散弾銃、機関銃から排莢された大量の薬莢。

 あれだけの銃声がありながらもう一体も寄ってこない。人間様の、勝ちだ。

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