中学生の頃は一番主人公が馬鹿な時代
中学生と書いてバカと読む
1998年、主人公は晴れて中学生として学ランを着る事になる。学生服という物であるが、今の時代はどうかは不明だが、当時の中学生は大体誰かのお古をもらって着ることになる。
主人公もそれは代わらない。
何処から仕入れてきたのか三着も学生服が用意されていた。よく見ると一つはボタンが違う学校の物の為全て外す。学ランのボタンという物は鈴のようで中々に可愛い。これを一つずつ違う学校の制服のボタンにしてしまうという近未来のお洒落をする輩もちらほら、というか主人公がしていた。
この中学生という年代、本当に不安定な時期である。主人公はバスケ部に所属し、三年間つまらない時間を過ごす事にはなるのだが、それぞれ他の小学校から来た連中との文化の違いや、お金を使った遊びのはじまり、そして恋愛に関してまぁまぁカルチャーショックを受ける事になる。
「ヤック、デカルチャー」
ちなみに中学生の頃の主人公の口癖であった。有名なマクロスの造語。しかもぜんぜん流行らなかった。もっぱら中学生の頃に行った思い出の場所は阪急高架下にあるパン屋さん、モンマルトだろうか? ここは阪神大震災の前から営業されており、寡黙で大きな主人さんと喋るのが好きな関西のおばちゃんと言った二人組みの小さなパン屋さん。
このパン屋さんの特徴は驚く事に子供の意見を取り入れてくれる素晴らしいお店である。小学校の給食で初めて揚げパンにきな粉がまぶしてある『きなこパン』なる物が登場した時、生徒達に激震が走った。そして子供たちはこぞってこのモンマルトにて『きなこパン』を食べたいと言う。しかし、子供の言葉を聴いて作った最初の『きなこパン』はただのコッペパンにきな粉をまぶしてあるだけの代物。子供たちは違うと連呼し、複数回の試作を得て、寸分狂いないきな粉パンを作られた。
ここ最近このモンマルトに行くときな粉パンがあったは覚えていないが、今尚小さなお店で営業が続いている事に主人公は心底うれしくなった。
この頃からパン屋の値段がやや高くなっていく中、中学生の懐に優しい金額で買えるパン屋さんであり近所だった主人公は三年間よく世話になったのである。是非とも西宮に立ち寄った際はここでアンパンマンの形をしたパンを買ってほしい。そもそももう作っているかは主人公には分からないが……
あとは思い出と言えば釣りだろうか、ブラックバスを釣りが異様にこの頃はやっており、主人公も魚釣りが好きだったので結構釣りに行った。果たして釣りをしていいのかは分からないが、かの有名な『涼宮ハルヒの憂鬱』のアニメ内でも登場した大池である。池の敷地内に小学校があるという謎のつくりであるそこに関しては中学生編でちょくちょく紹介していく事にもなろう。成長した主人公だが、当然の如く彼はこの西宮で恋をする。JR西ノ宮駅はまだJR西ノ宮駅だった中学生編、バスケットボールと勉強に追われながら、たまに釣竿を持って池に行く中学生の青春として果たしてどうなのかと今なら彼に言ってあげたい。
『西宮にノがついたら』第二章始まります!
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