概要
血と臓物、ナイフとエチレングリコール。それが猫殺しの青春。
幼いころ車に轢かれた猫を見て以来、『命の境界線』を求めて猫の虐殺を繰り返してきた少年、陽樹。彼はある日、夜の公園で自分と同じ猫殺しの少女と出会う……。生と死。正常と異常。殺していい命と殺してはいけない命。境界線の上で繰り広げられる、血と臓物の青春グロテスク。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!命の境界線を学ぶ、放課後の授業
皆さんは猫はお好きでしょうか? ネット上だと猫の画像が貼られた呟きが何千回もRTもされることもあるし、疲れたときに猫の動画を見て癒されるなんて人も多いですよね。
本作の主人公はそんな可愛い猫を殺すのが趣味という男子高校生。
殺すのは一匹や二匹ではありません。それもただ殺すのではなく素手で殺したり、ナイフで殺したりと殺害方法は実にバリエーション豊か。
こうやって、説明するとただの悪趣味な小説に思われるかもしれませんが、本作では彼の猫殺しを通して読者にシンプルで強烈な問いを突き付けます。
「殺して良い生き物と殺してはいけない生き物の境目はどこにあるのか?」
たとえば虫は平気で殺せるのに、猫を…続きを読む