第14話
☯
「こんな世界に生まれてこなければよかった。だって、きついんだもの。苦しいんだもの。あたしの心は擦り切れてボロボロよ。魂をちぎって
心に秘めた思いをあらわにする。
「クズ
青花は心の中からあふれる醜い感情を顔に出しながら。
「じゃあね、クズ
振り向きもせず、颯爽と。
☯
「……わたし、知らなかったな。青花お姉ちゃんが、あんな思いを抱いていたなんて」
青葉ちゃんは教室の中では閉ざしていた重い口を開いた。
その理由は、ここが青葉ちゃんの住んでいるアパートだからである。
「わたし、気づかなかった。わたし、いつも自分が中心だったの。自分だけで手いっぱいだった。だから、青花お姉ちゃんがうらやましかったんだ。だって、褒められるのはいつも青花お姉ちゃんだったんだよ?」
青葉ちゃんは自分のアパートにいる俺に向かって自身の思いをさらし始めた。
「わたしはお母さんに甘えていたんだ。お母さんに甘えれば、お母さんが守ってくれる。
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