第9話
☯
「俺の名は
俺は周囲を見る。
「……そんな感じでよろしくなっ! 今は
『……!』
クラスの生徒たちが一斉にざわついた。
俺は空いている席へと座る。
隣の席の青葉ちゃんは、きっ……とした感じで蛭子をにらみつける。
(わたしの名前を出さないでほしいとあれだけ言ったのに……蛭子くんはいったいなにを考えているの……)
俺は隣の席にいる彼女の険しい視線から逃れるように目をそらす。
(まあ、俺が行動しなければ、なにも始まらないというわけで……どういう答えが返ってくるのやら)
再度、俺は周囲を見る。
(この感じ、あまり歓迎ムードじゃねえな。俺の特性も関係しているんだろうけど、しばらく様子を見てみるか)
☯
――昼休み。
とある人物が俺と青葉ちゃんのクラスに現れた。
「……あなたが
俺の目の前には青葉がいた。
いや、違う――青葉ちゃんは隣の席にちゃんといる。
正確には青葉ちゃんの顔をした別の人物だ。
「あたしの名前は
俺は隣の席の青葉ちゃんを見る。
青葉ちゃんのフルネームは……
そして、目の前の女……
「もしかして、お二人さん……双子なのか?」
「……そうよ、
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