第11話
☯
青花が罵倒を繰り出す――瞬間、俺は青花に刃物で刺すような鋭い視線を投げつけた。
(――っ!)
青花は目をそらす。
(――青葉ちゃん……)
俺は彼女を見る。
さっきから彼女は変だ。
この教室に青花がやってきたとき。
いや、アパートを出たときから変だ。
俺と会話していたときは少しだけ余裕があったはず。
だけど、今は……その余裕がひとかけらも残っていない。
「――――」
――青葉ちゃんは自分の気持ちを押し殺しているのか――。
「――
「――は?」
俺は青花に向かって意味不明だ、と言わんばかりの声を出す。
「青花ちゃん、なにを……」
「
そんなことを青花が言うと、クラスの教室にいる生徒たちが。
『アーオバーイキン!』
青花の発言に合わせ、蔑称を唱えていく。
「本当にしょーもねえ奴らだなあ」
俺は素直に言った。
「
俺は自身の同級生らに訴えるように。
「それであんたらに得になることがあるのか? 一人の女の子をいじめて……それが
俺は彼女の苦に満ちた表情を見ながら。
「……もう一度だけ言わせてもらおうか。あんたらは……
「――そんなわけないじゃないっ!」
青花は激昂した。
「楽しいと思った? どうしてそんなことを思うのかしら? ああ、あなたは
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