3年目
見えない毒
※この話が公開されたのは夏(8月)ですが、書き始めたのは2020年1月です。真冬です。ということで、冬の話です。あしからず。
十年ほど前から、モンゴルの首都・ウランバートルの冬の風物詩は大気汚染になっている。
これは第五話『大気汚染』(https://kakuyomu.jp/works/1177354054883843936/episodes/1177354054884565150)でも触れています。
三年目に突入したモンゴル生活も、ついに大気汚染に慣れ始め、冬になって鬱々とはするものの、当たり前のように受け入れてしまっています。慣れって怖い……。
ウランバートルのゲル地区で使われる石炭から出された有害ガスが、街いっぱいに充満している状態です。
ただ、今年は大気汚染が例年より軽く、冬だというのに遠くを見通すことができました。
というのも、
半成コークスは、石炭の炭素部分だけを残した燃料です。石炭より燃焼効率がよく、排出する煙も少ないことで知られます。コークスの漢字は「骸炭」なんですって。なんかカッコいい。厨二っぽい。(Wiki情報)(みんなはレポートとか書く時、Wiki先生に頼らないようにね)
この半成コークスは石炭に比べて二酸化炭素を排出する量が少ないため、国際的な問題となっている気候変動や温暖化を抑えられると考えられています。モンゴルの首都ウランバートルは、毎年冬になると大気汚染が問題になっており、それを解決するために政府が決定した政策です。ウランバートルの大気汚染問題は本当に深刻で、多くの子供たちが気管支や肺を患っていて、その病気のために亡くなってしまう子供がたくさんいます。また大気汚染は妊婦にまで影響していて、多くの悲劇を引き起こしているのです。
このような状況から脱却するため、政府は石炭の禁止令を2019年5月に発令しました。そして代わりに半成コークスを使うようにと言っているようですが、まあそう簡単にはいくはずがない。
モンゴルは石炭資源が豊かで、非常に安く原炭を手に入れることができます。対する半成コークスは原炭に比べると高価です。大気汚染の主な原因である、ゲル地区に住む方々は貧困層の人々で、毎日生活に苦しんでいるのだから、どちらを買うのかと言われれば、原炭を買うに決まっています。私も同じ立場に置かれたら、環境問題とかよりも経済の方を優先してしまう。
さらに悲しいことが、半成コークスを買って使ったとしても、一酸化中毒で亡くなってしまう方がいる、という事実です。コークスを大量に燃やすと一酸化炭素が発生するため、家で使用する場合は常に換気が必要です。
しかし、そのことを知らない人もいる訳で。夜、寝ている間に暖炉で半成コークスを燃やして、そのまま一酸化炭素中毒で亡くなってしまうのです。眠るような死ってやつかな……。痛いのかな? 目眩や頭痛が起きるらしいけど。
環境問題を優先するか、経済問題を優先するか。難しいですね。
SDGsとかグレタさんの登場で、以前よりも地球の環境問題について考える機会が増え、様々な活動が行われるようになったと思うのですが、そう簡単にはいかない。お金がなかったら、そういうことも何もできない気がする。
ああ、もう、みんな猫になろう!!! 人間やめよう!!!(思考放棄)
《参考文献》
Ikeda, Yuka. "「世界最悪」の大気汚染:モンゴル." Global News View, 14 Nov. 2019, globalnewsview.org/archives/10743.
(日本語の文献のやり方忘れた)
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