ウヒャァァァアアアアアァァァ!!
「やばい、死ぬ。もう終わった」
この言葉が口癖となっている友人がおります。
彼女は私と同じで、親の仕事により小さい頃から色々な国へ連れ回されている、心優しいお淑やかな少女。
彼女が小さい頃から外国で暮らしていたのですが、その国にはちょうど日本人学校がある所でした。
それは運が良いとも言えるし、そうでないとも言えます。
日本人学校なので、授業は全て日本語で進められ、英語やその他の言語は使われません。だから、彼女は日本語が上手です。でも英語が少ししか出来ませんでした。
私も彼女と同じく、生まれたての赤ん坊だった頃から海外で暮らしていました。
暮らしていた国にも日本人学校はあったはずですが、なぜか私は現地の学校に通いたいと両親に懇願して、そこへ通っていました。だから、英語は出来ました。でも、日本語は日常会話程度でしか出来ませんでした。
そんな真逆な過去を持つ二人が出会った───。
モンゴルで。
さて、先程、私は「英語は出来て、日本語がダメダメ」と言いましたが、それはもう昔の話で、今は「英語は平均、日本語も平均」の人間となってしまいました。
小学校高学年になって日本に戻ってきて、それから英語を真面目に勉強せず、更に追い討ちをかけるように日本の小説にハマってしまい、日本語だけが上手くなってしまいました。
過去の自分を叱ってやりたい......。
対して彼女は、海外にずっと住んでいたのに日本の学生と同じぐらい日本語が堪能です。スラスラと現代語を操っています。
しかし、日本の教育を受けていただけなので、モンゴルへ来る前の英語力は他の日本人中学生・高校生と同じ程度でした。
彼女はそれに苦労しました。というより、今も苦労しています。
私たちが通う学校は、全て英語で授業が進められます。まあ、インターナショナルスクールなので、当たり前なのですが、私たちは英語がネイティブの子たちに対して出来ないので、色々と苦労します。
エッセイを書かなきゃいけない時や発表をしないといけない時。
そんな時に彼女はいつも笑いながら言うのです。
「やばい、死ぬ。もう終わった」
と。
彼女は、英語が出来ない自分に対してコンプレックスを持っていて、またそういう事に慣れていないので、いつもあたふたしています。
それは私も同じで、前の学校では英語のプレゼンティーションは良くありましたが、エッセイを書く事はありませんでした。
そして彼女と一緒に、
「うひゃー、やばいね〜」
と言って笑っている。だが心の中では叫びまわっている。
ウヒャァァァアアアアアァァァ、と。
頭の中の小さな私は、ロックスターの様に頭を激しく上下にふり、謎の踊りを繰り広げている。頭の中で。
さて、この一人の心優しい乙女とは別で、またもう一人仲良くしている日本人の少女がいます。
彼女は非常に毒舌で、更におしゃべり。マシンガンの様にペラペラと、話し始めたら止まらなくなる子。
この子が一緒にいると、私たちの愚痴は加速し始める───。
この子との日常は、また次回......?
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