大気汚染
「中国は空気が悪い」
これは周知の事実だ。
「中国」という言葉と一緒に、「PM 2.5」なんて単語をニュースで良く耳にする事であろう。そして空気が悪いのは、モンゴルも同じ様だ。
昨日は風がないせいで特にひどく、数メートル先の景色が白く靄がかかっていて、しっかりと見る事が出来なかった。息を吸う度に変な味が口の中に広がり、息をするのが辛かった。
しかし驚いたのは、空気が汚い理由。
モンゴル人の知り合いが言うには、モンゴルの空気が悪い理由は工場から出る煙だけが理由ではない。勿論、工場からの煙もまた、空気を汚しているが、一番の理由はゲルに住む方々が使う暖炉(ストーブ)からの煙だ。
首都ウランバートルには、ゲル地区と呼ばれる場所があり、そこは名前の通り、ゲルばかりが集まった地区がある(もしゲルが分からなければ、ググろう!)。
そして(一部の)モンゴル人が住むゲルの中には、未だに木材や石炭で暖をとっている所がある。
「じゃあ、それをやめさせれば良いだけじゃね?」
と思う方もいる事だろう。私もそう思う。だが、現実はそう簡単にはいかない。
モンゴルは今、氷点下の世界だ。気温がマイナス十度の時に、
「あ、今日は暖かいね〜」
と言ってしまう程、気温が低い。
今これを書いている時の外の気温は、マイナス二十二度らしい。そしてこれから更に寒くなるとの事。
兎に角、暖炉がなければ死人が出てしまうのだ。
そしてどうやら、ゲルに住む人々に石炭ではなく、電気を使う事を伝えるために首相がゲル地区へ行った(本当に首相が行ったのかどうかは定かではないが、知り合うが言うには首相)そうだが、効果があったのかは分からない。
確かに、彼らが電気を使う様になれば大気汚染も少しは治まるが、電気を使うには金がかかる。
ウランバートルでゲルに住む人の多くは、元々金銭に縁のない遊牧民だけど、金を稼ぐために都会へ来た人々。しかし彼らは家を買う程のお金を持っていないため、ゲルで暮らしている(しかし勿論、そうでない人もいる)。
つまり、他の人よりもお金を持っていないのだ。貧乏なのだ。
そんな人たちに、
「石炭とか木材じゃなくて、電気を使ってね〜(* ^ _ ^ *)/」
と言うのは、かなり酷だ。かなり残酷だ。
しかし石炭を燃やすのが環境にも健康にもあまりよろしくないのは、みんな分かっているので、最近政府の方々は色々と模索して始めているらしい。
また一般の方は、ドネーションで集めた冬服や保存食、またその他の生活用品などをゲル地区に住む人に寄付している。
この事については、ググってみるとそれについてのサイトがいくつか出てくるので、興味があればぜひ見てみてください。
ちなみに、自分が住んでいる所の大気質指数が気になる方は、"Real-time Air Quality Index (AQI)" (日本語では【リアルタイム気質指数】と検索すれば出てくる筈)というサイトを見るとすぐに分かるので、参考にでもどうぞ!
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