文字でもじもじ文字ってる

 文字は人類が発見した物の中でも、特に素晴らしいものだと思っています。

 文字があるおかげで、私たちは遠い昔の人々の思いを読み取ることができるのです!


 そして皆さん知っての通り、文字は国によって違います。


 日本語にはひらがな、カタカナ、漢字があり、韓国にはハングル文字が。

 モンゴル(モンゴル国のウランバートルに限定すると)では現在、帝国時代から使われている蒙古モンゴル文字と、キリル文字が使われています。

 モンゴルで使われているモンゴル文字は、地域や使い方によって変わります。


 ウイグル式などの話をするとややこしくなるので、今回は主にウランバートルモンゴルの首都で使用されている『蒙古モンゴル文字』について記述します。

 蒙古モンゴル文字は帝国時代の頃から使われている古い文字で、殆どのアジア諸国と同じように、縦書きで書かれています。ただ、蒙古モンゴル文字が日本語と違うところは、左から右へと読まれるという事です。

 モンゴルがロシアソ連の影響を受けていた頃は、この蒙古モンゴル文字はあまり使われなくなり、衰退していたようですが、最近また学校で教えられるようになり、読める人が徐々に増えているそうです。

 世代によって、読める人と読めない人がいるという事ですね。

 現在、蒙古モンゴル文字は主にお土産やちょっとお高い商品に使われているところを良く見かけます。また、観光名所でも使われていて、力強い毛筆のフォントを使ってて、めっちゃ格好いいです。


そしてウランバートルで一番多く見かける文字が、キリル文字です。

 モンゴルがまだモンゴル人民共和国だった頃、モンゴルではソ連化が進められていました。そのため、1930年代にキリル文字を書き言葉にする運動が行われていたソ連に合わせて、モンゴルでは1941年にキリル文字化の計画を行なっていました(キリル文字化の前に、ソ連とモンゴルでは書き言葉をラテン文字化する運動があったそうですが、色々とややこしいので、今回は省きます)。

 そして、1941年3月頃には、キリル文字化運動を行う事が決定しましたが、すぐに実施された訳ではなく、1946年 1 月 1 日から学校教育、公務、出版物などで全面的にキリル文字が使用されるようになったそうです。


 現在では、モンゴル語を習っている生徒はキリル文字の読み書きを行う事ができます。また、外国人がモンゴル語を習うとなったら、始めの方で紹介した蒙古モンゴル文字ではなく、キリル文字を習う事が主流です。

 キリル文字は殆どの場所で使われていて、お店の看板や全ての文書など、至るところで見かける事ができます。

 キリル文字が良く使われている理由は、学校教育もありますが、タイピングのしやすさにあるのかもしれません。蒙古モンゴル文字をタイプするには、専用のソフトなどをダウンロードする必要がありますが、キリル文字はどのデバイスでも見つける事ができます。


 蒙古モンゴル文字とキリル文字、その両方を使用するモンゴルの文化は、私から見たら非常に魅力的で格好いいのですが、それを習わねばならないモンゴル人の生徒たちは、ものすごく苦労するそうです。

 頑張れ、としか言えませんけどね。がんば〜。




 非常にどうでもいい余談ですが、私が良く見かける、

『ONИО』

 という名前のモンゴルの美容室があるんですけど、いい名前ですよね。鏡文字で。

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