世界征服して、世界を絵本で埋め尽くす

 子供の頃、皆さんは絵本をよく読んでいましたか?

 『ぐりとぐら』、『バムとケロ』、『100万回生きたねこ』、『はらぺこあおむし』、『いないいないばあ』などなど───。

 子供の成長のために、絵本というのは欠かせないもので、最近では大人も絵本をよく読むようになっています。

 絵本、いいですよね。子供向けなだけあって、ものすごくシンプルで、なおかつ深い。絵も付いてるから、物語にすぐ引き込まれてしまう。仕掛け絵本とかは、純粋に感動してしまいます。


 さて、そんな、ほとんどの方が一度は目にし、また触れたことのある絵本ですが、モンゴルではあまり手に入らないそうです。


 手に入るとしても、ほとんどが元々海外で出版されたもので、モンゴル語に翻訳されたものです。そのため、モンゴル語で出版された絵本のバリエーションは少ないらしい。

 また、モンゴルで『絵本』と言えば、薄い冊子のような、安上がりのもので、ハードカバーはあまり見かけません。飛び出す絵本といった仕掛け絵本も、どれもが海外から輸入したものです。そして費用が小冊子よりもかかる分、高くなってしまいます。


 さて、少し話が変わりますが、私は最近、絵本の読み聞かせをするボランティアに参加するようになりました。

 元々日本語や英語だった絵本を、モンゴルの大学生がモンゴル語に翻訳し、それをモンゴルのウランバートル付近にいる子供達に読み聞かせをする活動です。

 その活動の主催者曰く、


「この国の子供たちは、いつも物語に飢えている」


 だから、絵本を通して、子供たちに物語を伝えていく。

 絵本を通して、笑い、驚き、感動する。

 絵本には、人の心を揺れ動かし、人生に影響を与えられるほどの大きな力があります。現に、読み聞かせをする時、子供たちは食い入るように話を聞き、目は絵本に釘付けです。


 需要はあるのに、供給が間に合っていない。

 それが、モンゴルにおいての絵本市場の状況です。一応、モンゴルの方で、絵本を沢山の出版されている方はいますが、孤児院やゲル地区などの貧しい状況にある子供たちは、絵本になかなか触れる機会がありません。


 裕福でも貧しくても、親がいてもいなくても、障害があろうがなかろうが、そんなの関係なく、子供たちが自由に絵本に触れ、自由に読めるような世界になったらいいのになぁ、と常々思います。

 難しいですね。みんなが幸せに暮らせる社会を作るのは。でもせめて、世界の未来である子供たちには、幸せに生きてもらいたいです。一応まだ子供の部類に属す人が言うのも、ちょっとおかしいですけど。


 何不自由なく、絵本の読み聞かせをしてもらい、家に絵本が溢れていた私は、ものすごく恵まれた環境にいたのだと、改めて思い知らされました。

 あ〜、世界征服でもしようかな〜。第二のチンギス・ハーンになろう。そして世界を絵本で埋め尽くすのだ!!! 小説も可!!!

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