05. 弟の姉

 家を飛び出して行く弟の背中。

 昔よりも大きくなって、けれど少しだけ小さい背中を、遥佳は見送った。

 リビングに戻って、忘れていた弁当を鞄に入れる。その中身は、母の助力を得てもなお、拙い仕上がりになっていた。

 自然と笑みが零れる。

「私や母ちゃんが、どれだけ助けられてると思ってんだか」

 遥佳は愛おしそうに呟いた。


 岩崎家の姉弟。

 二人は、互いが互いの中で、大きな割合を占めている。

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