【機体設定】リリウス

○リリウス

・機体概要

 月の永久氷晶層で発見された、全高600mもの古代人型遺構。

 MAGICALマジカルと呼称される古代遺失技術の塊で、人類科学が解明できる域を遥かに超えたオーパーツ的存在。

 真の名称は「小夜曲の方舟リリウス・ラ・ヴォルダ」、もしくは「解脱の方舟」。


・画像(下記URLから設定イラストのTweetに飛べます)

https://twitter.com/robo_robotarou/status/1017389697289445377


・機体外見

 頭部に埋め込まれた三つ眼には古代文字が刻まれ、異様なまでに細長い腕の先には10本もの指が生えている。体表温度は最大で摂氏数万度にも達し、普段は燃え尽きた炭のような体表も全力稼働時には熱輻射で紫色に光り輝く。

 まるで合掌のようにも見える、上へ突き出た肩部も大きな特徴。

 腹部から胸部にかけて人体とよく似た脊椎や、それを補強するシリンダーフレームが露出していることから、この個体は過去に上半身と下半身を切断されたものと推測されている。


・機体武装

 MAGICALマジカルフレイム:射程10kmを超える火炎放射。

 MAGICALマジカルレーザー:眼球から発振する硬γ線レーザー。

 MAGICALマジカルアロー:マッハ数十という初速で指を発射する。

 ラリアット:腕に炎を纏わせて相手に打ち付ける。

 ローキック:脚に炎を纏わせて相手を斬りつける。

 ただのパンチ:ただのパンチ。


・機体運用

 地上に残された人類にとっては、鬼型無人機械兵器群・鉢特摩ハドマに対抗可能な唯一の決戦戦力。

 リリウスが一世紀前に地上へ降下して来た際、リリウスは各地でハドマの群れを撃退していった。その際に得られた交戦記録から、人類は運用に必要な機体性能の一部を把握していったという経緯がある。

 未だに動力はおろか、稼働原理や建造目的さえ未解明だが、起動適格者と呼ばれる者だけが制御可能なことは判明している。


 また、起動適格者は定期的な代替わりをすることも特徴。適格者が、他の誰も知らない何者かを追いかけ始めると、リリウスを動かせなくなるという現象が発生する。

 一体、パイロットから何が喪われることで起動させられなくなるのか。数十代に亘る代替わりを経た今になっても、その理由は未だに解明されていない。


・機体ギミック1:変身

 リリウスに選ばれた起動適格者は、自らの意志で変身・・を行えるようになる。変身した起動適格者は、蓮の花びらで象られたミニドレスのような炎を纏う。同時に髪色も炎の色に応じて変化し、見た目には華やかな姿へと変貌する。

 実用上の目的は、脆弱な人体の保護にある。

 痛覚遮断、衝撃吸収、再生促進、一体化の補助など、おおよそリリウスを操るのに必要な機能が全てこのミニドレス状火炎に集約されている。そして起動適格者がコックピットに乗り込む際には、空間転移を行う為のマーカーの役割も果たしている。


・機体ギミック2:変形

 人型の身体を折りたたみ、蛾のような飛行形態へ変形可能。

 前腕骨を展開し、その間に帆のように張った翅を羽ばたかせて飛行する。全幅1km近い翅で空を飛べば、地上に向けられた眼球から狙撃を行う事も出来る。


・機体ギミック3:斥力場展開

 リリウスは周囲数百km単位に斥力場を展開している。

 リリウスは、華奢な四肢だけで身体を支えているのではない。自重数百万tを誇るリリウスは、斥力場を展開し疑似的な接地面積を拡大させて身体を支えている。

 飛行形態では斥力場発生器官である翅を展開することで、超音速飛行すら可能とする。


・機体ギミック4:空間転移

 リリウスは空間転移機能を発動可能。

 リリウスのコックピットには出口も入口も存在しない。パイロットは搭乗する度に空間転移を体験することになるが、リリウス自身もこの空間転移機能を発動可能。

 全高600mという巨躯でありながら、短距離ワープを繰り返すことで超高速戦闘に対応可能なポテンシャルを持つ。この機能は本来、事象の地平面を脱出するために設けられた不連続空間跳躍航行システムの一種。

 なお、空間転移の度に補償不能な情報欠落が生じており、転移物体の質量に応じて負荷は増大して行く。生物が繰り返し使用した場合には、最悪の場合細胞の代謝障害が引き起こされる。


・機体ギミック5:リミッター

 リリウスには形態拘束と呼ばれるある種のリミッターが設けられており、普段は歪な人型や蛾のような姿を保っている。

 しかし、ある一定条件で形態拘束が解除された時に限り、全火力を投射可能な真の姿を露わにする。



 * * *



○リリウス阿修羅アスラ(仮称)

・機体概要

 形態拘束リミッターを解除したリリウスが、人型を脱して真の姿を露わにした形態。通常形態とは段違いの火力を発揮することが可能な重火力仕様。


・画像(下記URLから設定イラストのTweetに飛べます)

https://twitter.com/robo_robotarou/status/1017391152486481920


・機体外見

 元々あった腕に加え、更に2本の腕が肩甲骨の隙間から形成される。また合掌を模した肩部からは左右それぞれに頭部が突き出し、機体は三面六臂の阿修羅を思わせる姿へと変貌する。

 竜のような尻尾、背から突き出た背びれなど、爬虫類的特徴も備える。

 まるでキメラのようなその姿は、あらゆる生物種の情報を身体に収める"方舟"の体現。リリウスは自らの裡に取り込んだ生物情報を再現・摸倣することで、急激な変態をも可能としている。


・機体武装

 MAGICALマジカルフレイム:90km先の地平すら焼き尽くす火炎放射。

 MAGICALマジカルレーザー:9つの眼球から発振する硬γ線レーザー。

 MAGICALマジカルアロー:合計で40連射可能な超高速質量弾(指)。

 MAGICALマジカルバリスタ:前腕を切り離して発射する質量弾。

 MAGICALマジカルパイルバンカー:接射でマジカルアローを叩き込む。


・機体運用

 機体とパイロットの感覚を共有する操縦システム上、大きく人型を外れる本形態はパイロットに甚大な負担を掛ける事になる。そこで、リミッター解除と同時に脳の体性感覚書き換えが実施され、パイロットの方を最適化する事で制御可能となる。

 しかし、一度書き換えられた感覚は元に戻ることはなく、リリウスを降りた後もあるはずがない四肢を感じ続ける事になる。

 反面、火力と再生能力が格段に引き上げられている恩恵で、マカハドマと真正面から戦っても撃ち負ける事は無い。


・機体ギミック1:誘導砲撃

 普段は数百万tに達する自重を支え、飛行時には超音速飛行すら可能とする斥力場を、阿修羅と化したリリウスは攻撃にも転用する。

 9つの眼球から発振したγ線レーザーを斥力場で捻じ曲げ、自在に曲がる誘導追尾型ホーミングレーザーを発射可能。地平の丸みに応じてレーザーを曲げれば、普段は半径90kmほどの射程をさらに拡大させることが出来る。


・機体ギミック2:変形

 通常時のリリウスと同じ可変機構であっても、阿修羅形態のリリウスが変形すると四枚翅の竜のような姿と化す。

 4本の腕からそれぞれ伸ばされた翅、露出した3つの頭部に埋め込まれている9つの眼球、竜のような尻尾と、まるで宝珠を掴んで飛翔する竜にも見える。


・機体ギミック3:即時再生

 形態拘束が解かれることで、リリウスはどんな生物種よりも優れた再生能力を発揮し始める。マジカルアローで射出した指も即座に生え揃い、過熱して使えなくなった眼球も引き千切った傍から元に戻る。

 実質的に弾数制限が無くなることで、リリウスはようやく本来の火力を発揮出来るとも言える。

 この再生機能の恩恵はパイロットにも及び、リリウスと深く繋がれば繋がるほどに髪色が元に戻らなくなって行く。これは過負荷を受けた身体組織がリリウス由来で再生し、徐々に置換されて行く為に起こる現象。


・機体ギミック4:情報吸蔵

 形態拘束によって縛り付けられていた"方舟"としての本能が目覚めることで、リリウスは本来の性質を露わにし始める。

 つまり、リリウスに深く接する者の情報を吸収し始め、徐々に構成情報を世界から奪い去って行く。最終段階に達するとその影響は時間軸方向にまで及び、吸収し切った者が関わる歴史全てを書き換えてしまう。

 無論、人々の記憶からも消え去ることになるが、それにはやや個人差がある事から"リリウスの幽霊"現象が引き起こされる事になる。



 * * *



○リリウス全力稼働形態アスラ(仮称)

・機体概要

 方舟としての本能を覚醒させ切ったリリウスが、最も基本にして究極の機能<事象の地平面の突破>を可能とした形態。

 莫大な潮汐力を受けても超再生力で以て機体を維持し、空間転移機能でブラックホールの内側から這い上がることすら可能とする。


・機体外見

 リリウス自体の見た目は、阿修羅形態と何ら変わりは無い。ただし全身から吹き上がる炎は羽衣のように全身に纏わりつき、リリウスは自らの身体組織を崩壊させながらも再生し続けるという状態となる。

 そしてパイロットを保護する戦装束=保護炎骨格もまた、全身を白く覆う繭ともドレスともつかない独特な形態へと変化する。この時点で、パイロットは半ばリリウスに取り込まれている状態であり、あやふやな境界を拡散させないようにこのようなドレスが展開される。


・機体武装

 リリウス阿修羅形態に準じる。


・機体運用

 パイロットの消滅が近い一方で、全力稼働形態における戦闘能力は最高潮に達している。

 もはや地上では運用し難いほどの火力で以て、半径十万km以上に亘る空間を火力制圧可能。ブラックホール界面を独力で突破可能な事もあって、人工天体の中心核に閉じ込められてもなお這い出して来るなど、かつて星間戦争を繰り広げていた時代の性能を発揮し得る。


・機体ギミック

 リリウス阿修羅形態に準じる。

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