第二次島外決戦編
ep11/36「寒いならさ、2人で温まろっか」
氷点下に淀む曇天の下、1匹の赤黒い蛾が銀世界を汚していく。
火の粉を撒き散らすリリウスは、全幅1kmにも達する翅を上下させ続けていた。シューシューと大気を焦がす翅を打ち下ろす度に、灼熱の突風で雪が巻き上げられる。
速度は実に数十km/h。浮いていられるのが不思議になるほどの低速で、リリウスは凍て付く大気の中を泳ぎ続けているのだった。
雪山を掠める巨体に煽られ、白い山肌は突風に舐められていく。ぶわり、吹き上げられた雪は景色をホワイトアウトさせ、束の間の地吹雪を作り出していった。
その一瞬の吹雪が収まったのち、山のふもとにはちっぽけな人影が現れていた。
1人は青、もう1人は赤。丸々としたアザラシのようなシルエットは、防寒具に身を固めた少女たちのものだ。
2人は呑気に空を見上げると、離れて行くリリウスを見送る。
「あぁ、リリウスが飛んで行っちゃう。おーい!」
「すぐに降りるわよ……ほら」
青い防寒具に身を包むアヤカは、ごく当然のようにそう呟いていた。誰も乗っていないのだから、リリウスとて今はただの人形に過ぎない。案の定、リリウスはギクシャクとした動きで、近くの雪山へと突っ込んでいった。
「あ、落ちちゃう!」
激震――――というほどでもない振動が、アヤカの足元を震わせる。
上空に高々と巻き上げられた雪煙の中で、くぐもった落着音は霧散するより他に無い。超重量物体たるリリウスは、信じられないほど呆気なく山肌にとりついていた。膨大な空気を押し退けながら痙攣する翅は、まさしく壁にとまった蛾の仕草だ。
「やっぱり蛾ね、あれは」
「今さらだけど、蛾って苦手なんだけ……うっ」
遅れて届いた強風が、無駄口を叩くなと言わんばかりに頭を抑え付けて来る。アヤカとハナは刺すような冷風に耐えながら、せめてダウンジャケットを握り締めるしか無かった。
「うぅ……さむっ!」
この穏やかな山並みは、既に人類の生存限界を超えた絶地。彼女らがわざわざこんな所に降り立ったのも、ひとえに
「外界のサンプル採取をして来て、か……あそこの森にしようかしら」
「ラジャー!」
モコモコと膨れ上がった2人は、山のふもとから近くの森へ。脚を踏み出す度にシャリシャリと軽快な音をたてながら、少女たちは森の中へと踏み入ろうとしていた。
音もなく、鬱蒼と生い茂る木々の迷宮。しんと静まり返った森へ近付くほどに、アヤカの胸中には不安が降り積もっていく。分厚い手袋に包まれた指先も、無性に冷えて仕方がない。
しかし、傍らでビクビクとしているハナを見ていれば、せめて虚勢の一つも張らねばと思えるのだった。
「ね、ねぇ……あの森、なんか暗くない? 後にしようってば」
「だーめ。今立ち寄っておかないと、夜にはもっと寒くなってしまうもの」
曇天を見上げるアヤカは、はーっと白い息を吐いてみる。生まれてから最も遠い場所に来てしまったのだと、その青い瞳は心細さを訴えているようでもあった。
地球上のあらゆる地がハドマに滅ぼされてから、およそ100年。それはすなわち、この土地に人間が訪れなかった期間ともイコールに違いなかった。
茂みを踏み締めながら、少女たちは凍て付く森へ踏み込む。
「外界へ足を踏み入れられる人は多くないから、調査が行われるのも半世紀ぶりらしいわ。島の外がどうなっているかなんて、もう誰もよく分かっていないの」
時折、思い出したように動き始める景色は、まるで視線を向けたところだけが再生を始めるビデオ映像のようだった。
背中のすぐそばには、あるいは永劫の闇が広がっているのではないか。背後には何も無いのではないか。振り向いても正体を確かめられない恐ろしさだけが、拭い去れないタールのようにべったりと張り付いている。
冷や汗を拭うアヤカの横で、ハナは不意に立ち止まっていた。
「だ、だだっ、大丈夫……? なにか居たりしない?」
「大丈夫よ、私たち以外の生き物なんていないはずだもの。とっくにね」
そう言うと、アヤカは手ごろな木の枝を折ってみる。パキリ、と。あまりに呆気ない音と共に折れた枝は、もはや瑞々しく葉をつける植物のそれでは無い。
――――氷か、ガラスみたいになっているのね。
何の気なしにそう感じてしまったのは、果たして幸か不幸か。周りの木々全てが精巧なガラス細工に見えて来たアヤカは、その冷たいおぞましさに思わず肌を粟立たせる。
それはつまり、100年前に世界が凍り付いた時、人が住まう街にも同じことが起こったのだと理解出来たからだった。木々も、ビルも、恐らくは
「ね、この音ってなに?」
「音? 音なんて私には……」
他に動くものとて無い氷の森。何も聞こえないと否定しようとした途端、アヤカは鼓膜をくすぐる微音に気付いて戦慄する。
ざざざ、ざざざ。
モノクロに凍り付いた世界のどこかから、断末魔のように漏れ聞こえて来る雑音。凍り付いた地面を踏み締める足音以外に、なにか無数の音が解凍されつつあるのが分かった。
「なんだろう、この音? どこかで聞いたような」
ざざざ、ざざざ。
2人を囲む森は、もはや音なき世界などでは無い。そこら中から湧き出して来る雑音の数々は、沈黙の薄皮を突き破ろうと蠢いているのだ。無視することなど、出来ない。
その正体を悟ってしまったなら、アヤカとハナは思わず後ずさるしか無かった。
夏の終わりを告げるセミの鳴き声が――――
秋の訪れを告げるスズムシの鳴き声が――――
一世紀を経て響き始めた木霊と化して、まばらな粉雪の間をすり抜けていく。聞こえるはずのない虫の音に大気が震える。
ぐちゃぐちゃに重なり合った季節が、今この瞬間にも解凍されているかのような違和感。肌が粟立つ、膝が笑う。無意識に握り込んだ手は、なにか本能的な恐ろしさに圧されて微かに震え出していた、
「一体なんなのよ、ここは!」
針で突けば弾けてしまいそうな、過敏に膨れ上がった警戒心が視線を彷徨わせる。右に、左に、得体の知れない森を見渡す瞳には、凍り付いた木々の彫像だけが映り込む。
しかし、びくりと身体が跳ねた直後、アヤカは咄嗟にハナの前に踏み出していた。危ない。本能的な衝動に突き動かされる彼女は、視界の端できらりと煌めく何かを捉えている。
「きゃっ!」
「まさか、まだ生き物が……!?」
身をすくめるハナを背に、アヤカは見てしまった。
木々の足元を這う川面、その表面を掠めていくのはエメラルドグリーンの銃弾。翡翠のように艶めく1羽のカワセミは、宝石じみた翼で死した冷気を裂いていく。
だが、それとて一瞬の邂逅に過ぎない。すぐに木陰へと飛び込んでいったカワセミは、アヤカの視界から消え失せてしまう。
ふぅ、と安堵のため息を曇らせながら、彼女は寒々しい想いを胸に抱いていた。
――――あれはもう、とっくに死んでいるんだわ。
ハドマが現れた年、100年前の晩夏に取り残されたカワセミは、再び誰かが視線を向けるまでどこかの影で凍り付いているに違いなかった。
あれは果たして、自分が今、冬の大気を飛んでいることに気付いているのだろうか。いつ気付くのだろうか。白い樹海に縫い留められたカワセミは、もはや過去の惰性のままに飛び続ける亡霊。未だ死を自覚していない骸に過ぎない。
「ここは、寒いわね」
夜の海を前にして抱く畏れ、霊峰を見上げて湧き上がる畏れ。それらにも似た得体の知れない圧力が、血管を締め上げ、ちっぽけな心臓を押し潰そうとしているようだった。
今はここにいるだけで息苦しい。1人ならとっくに逃げ出しているに違いなかった。
「寒いならさ、2人で温まろっか」
「そうね……えっ?」
ぽつりと零したハナの表情は、真剣そのもの。冗談の気配など感じさせない瞳は、やや伏せ気味にアヤカへと向けられている。ほんのり色づく頬、どこかワクワクするようにはにかむ表情は、無条件にアヤカの心臓を跳ねさせていった。
「えっと、その……2人で?」
「うん、2人で」
迷いなき返答に、アヤカは思わずぎゅっと手を握り締める。
2人で温まる、その意味が分からないフリだって出来るけれど。今はたった2人、それでは何か大切な機会を逃してしまう気がしたから――――。
「……う、うん」
もう子供じゃないんだもの。アヤカは耳を真っ赤にしながら、こくんと頷いていた。
* * *
冬。人を寄せ付けない深い雪山の只中で、それは唐突に口を開けていた。
狼煙のような湯気が立ち昇る、秘境の露天風呂。白い湯気に白い雪、そして湯に濡れるのは少女たちの白い肌。他には誰の姿も見当たらない。
「温まるなら、やっぱりこれでしょ!」
「そうよね、そういう事になるわよね! 私、お風呂好きよ!」
背伸びした妄想は泡沫と消え、甘酸っぱい期待は潰えた。ハナの無邪気さによって、あるいは純粋さによって。湯に顔を沈めるアヤカは、ぼこぼこと無念を叫ぶしかない。
――――寒いとは言ったけど……こういう事なのかしら。もういいけど!
恥ずかしいやら虚しいやらで開き直ったアヤカは、今はひたすらに露天風呂がもたらしてくれる開放感に浸る。
「ん~、やっぱり気持ちいいね! 露天風呂って。2人だけっていうのも、ちょっぴり贅沢な気がするけど」
ハナが腕を思い切り伸ばせば、温かな滴の伝う胸はつんと天を向く。
同じく湯に浸かるアヤカも、幾分は開放的な気分になれていた。衣装を剥がされた西洋人形のような肢体は今、やはり何も纏ってはいない。
「いいのよ、私たち以外には誰もいないんだもの。いつまでゆっくりしていられるかも分からないし、ゆっくりしましょう?」
「そうだね。こんなところでお風呂に入れちゃうのも、滅多にないし!」
即席温泉に浸かる2人の目の前には、1本の柱が突き刺さっていた。
離れていてもほんのりと温かい、数百年物の大樹をそのまま炭にしたような柱。ちらほらと雪が触れる度に、真っ赤に燻る表面はジジジと唸りを上げる。
温泉のど真ん中にそびえ立つそれは、とてもとても
どこまで上に伸びているのか、少女たちからでは棒の先端が見えない程に。
「っしっしっし……せっかくだし、背中を流して差し上げましょうか、
「ち、ちょっと、ハナ?!」
黒髪を上にまとめたハナは、イタズラな笑顔を浮かべながらにじり寄って来る。湯をかき分けるその身体にドギマギしながらも、アヤカはじりじりと逃げる。
コツン、アヤカの背中には壁が当たる感触。もう逃げられない。
「ハナが洗ってくれる時って、いつもくすぐったいのよ……だ、だから今はね、こんな所だしやめましょう? ね?」
「おっかしいなぁ、アヤにそう言われるとなんだか余計に―――――って、なに……!?」
「地震……?」
雪山を不吉に駆け巡っていく地鳴りが、2人の動きを止める。
地鳴りが聞こえて来るのは、灰色に霞む山並みの向こう。大地が鼓動しているかのような振動は、重なるにつれ徐々に輪郭がはっきりして来る。
沈黙の数秒。雪景色の彼方に、なにか巨大な人影が姿を現す。
2人がじっと見守る先に現れたのは、1体の鬼に他ならなかった。
山を砕く轟音、数千トンもの雪が雪崩となって鬼を襲う。しかし、雪煙の向こうから突き出した脚は、狂ったスケール感の下でその雪崩すら軽々と跳ねのけて行った。
全高600mもの人型。間違いない。冬景色に目を凝らしていたアヤカとハナは、雪山から現れ出た怪物の正体を確信する。
「まさか」
「来たわね」
既に2人の表情は引き締まり、湯から立ち上がる身体には決意がみなぎる。
白く煙る空気を裂くのは、ひらりとはためく白い布。バスタオル1枚をまとった少女たちは、冬空の下で声を張り上げていた。
「リリウス!
途端に、少女たちの全身を丸ごと炎が包み込む。
ハナの黒髪は、赤みがかったピンクへ。
アヤカの金髪は、青みがかった髪色へ。
バスタオルにも炎が纏わりついたかと思えば、花びらかフリルのようなそれは、2人の布を可憐な
そして2人の姿は、大気に微かな炎を残して消え去ってしまう。
彼女らの身体は、既に暗闇の中へと飛び去っていた。
「空間転移完了! アヤ、いくよっ!」
「分かったわハナ。まずは立ち上がるわよ!」
雪山を遥か下に見下ろす格好となったアヤカは、膝をついていた脚に力を込める。
パキ、パキリ。力を込めた途端に剥離していくのは、灼熱の肌の欠片。雪山についた手は、合計9本もの指で数十mもの雪原を押し固める。
そして、水たまりのような
ハナを胎内に孕んだアヤカは――――否、リリウスは冬空を割って立ち上がる。
まるで翅をもぎ取られ、代わりに細長い四肢を生やした蛾のような異形。アヤカの意識は今や、全高600mもの巨躯へと乗り移っていた。
「アヤ、敵がこっちに気付いたみたいだよ! 10時の方角!」
「動く暇なんて、あげないんだから!」
古代文字が刻まれた3つ眼は、鬼を見据えたまま蒼白い輝きを帯び始めていた。
「まずは!
直撃。この世で最も速い攻撃は避けようがない。しかし、核兵器すら凌駕する線量を受けてもなお、超高熱で溶けかかった鬼の歩みは止まらない。
一方、
「
問答無用で大地を赤く染め上げていくのは、遥か上空の雲さえ消し去る炎。
まるで炎の鞭のように振り下ろされて行ったそれは、文字通りに空を裂いていく。余波で小山を幾つか蒸発させると、炎はそのままの勢いで鬼に直撃していた。
山並みを堤防にして、紫炎の大河が溢れんばかりに大地を舐めていく。
炎の濁流を浴びる鬼は、最後の力を振り絞るように槍を地に突き刺す。
大地を砕く激震。次の瞬間、地面から山をも越える氷晶が突き出たかと思うと、炎の流れは真っ二つに断ち切られていた。
「まさか、盾にしてる!?」
「なら、
せいぜい数万トン近い氷塊ごとき、もはや小細工など通用しない。
大地を焼き払う灯台と化したリリウスは、無慈悲に炎を噴き出し続ける。
分厚く積もった雪を消し去り、山をガスに変え、遥か上空の雲を吹き飛ばしてもなお、その容赦ない火炎放射は止まらなかった。
そして数秒後、ようやく掃討を終えたリリウスの前には、赤黒く煮えたぎる平地が広がる。全高600mにも達する鬼の骸骨は、即席の溶岩の海へと沈みかけている所だった。
「ふぅ、終わったぁ。いきなりだったからびっくりしちゃったよ」
「だってここは敵地なんだもの。早く帰ってゆっくりしたいところだわ」
リリウスから引き剥されたアヤカの意識は、彼女自身の身体へと戻る。
気付いた時には、既に高さ600mから見下ろすような視界から、高さ2mもない視界へと切り替わっていた。
薄暗い閉鎖空間。椅子から起き上がった拍子に、アヤカの身体からはバスタオルがはらりと舞い落ちる。
「なっ……!」
「見てないっ、アヤ、見てないから!」
慌てて顔を覆うハナを前に、アヤカの耳は真っ赤に染まっていく。すっかり忘れていた。とっくに変身が解けた身体を覆うのは、バスタオル一枚だけだということを。
――――せめて! 服を着るまで待っててくれても良いじゃない!
咄嗟に両手で身体を抑えたアヤカは、半ば涙目になりながら叫んでいた。
「もうっ! いつまでこんな事をやれば良いのよぉ!!」
無論、マカハドマを倒すまで。
アヤカは心のどこかで自答しながらも、この厳冬の強行軍を呪うよりほかない。地獄めいた業火に佇むリリウスは、今日も鬼を焼き尽くす役目を全うしていた。
それから3日後、リリウスは山脈を超えた。
更に4日後、かつての都市残骸を後にした。
その間、ハドマとの散発的戦闘は8回。蒸発させた山は30以上、焼き払った森林はもはや数え切れない。戦闘の度に地形を書き換えるリリウスは、宇宙からでも視認可能なほどの跡を残しながら進んでいくのだった。
そして5日後。地上から一つの島を消し去ったその日に、リリウスは目標地点へと辿り着いていた。
およそ一世紀ぶりに人類が足を踏み入れる地域には、やはり生命の気配無き森が広がっている。そこに佇むリリウスは尖塔と化して、放射状に広がる影を落としていた。冷え冷えと降り注ぐ月光を浴びながら、リリウスの三つ眼は黒い夜空へと向けられている。
「島で見るのとおんなじ空だね」
「ここも変わらないのね。でも、月は全部はっきり見えるかも」
「あ、ほんとだ! 小さいのもちゃんと見えるね」
アヤカとハナは、セーラー服姿でコックピットシートに身を収めていた。
他愛ない会話を交わす間にも過ぎ去っていくのは、嵐の間の静けさ。壁面モニターに映る夜空を見つめていられる時間も、そう残されてはいない。
だからこそ、いつも通りの月が浮かぶ夜空は心を落ち着けていた。
数珠型のリング構造体〈月〉だけが地上を照らし、ただひたすらに黒く塗りつぶされた夜空を支配する。そんなありふれた、普段と変わらない夜の天蓋。
「これだけ明るいんだから、ヒカリやアカリ先輩も見ているかしらね」
今度こそ逃げられないと理解する2人は、徐々に張り詰めていく空気に身を晒す。耳の奥に焼き付けられた一言が、啓示のように脳裏をよぎっていく。
『大切だと思うなら手を離さないで。失くしてしまわないように』
だから、なのかも知れなかった。
意識するでもなく、考えるでもなく、気が付けばアヤカの手は傍らのシートへと伸ばされて行った。どちらともなく差し出した手は、自然と宙で触れ合って2人を繋ぐ。固く取り合った手には、離すまいとして縋る必死さが滲んでいた。
「あの森、すっごく冷たかった……島をあんな風にはしたくないね」
「うん」
「わたしたちで、守らなきゃね」
「うん」
「だから、帰ろうね。必ず」
夜明けは間近。永遠の冬で凍て付く森に日が差し込み始める。
既に先行する隊の情報で、この地平の先にハドマ群がいる事は確認されていた。ここで討ち果たすべきは、他個体に指令を下していると思しきマカハドマ
この地平線の先に控える地獄を想いながら、青い炎を纏い出したアヤカは口を開く。2人揃って
「それじゃあ、行きましょうか」
白み始めた空には一筋の流星。遂に軌道上から落下し始めた戦略核弾頭は、冬空に鮮烈な夜明けをもたらそうとしていた。
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