【機体設定】マカハドマ
○マカハドマ
・機体概要
一世紀前に地上へ降下して来た鬼型無人機械兵器群〈
全高800mもの巨体、既存の素材工学では説明できないほどの防御力、リリウス以外では対抗不可能な凍結能力を以て、当時の人類文明圏を崩壊に至らしめた。
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https://twitter.com/robo_robotarou/status/1027892574294437888
・機体外見
全高50mにも達する一対のアンテナが、2本角の鬼を思わせる配置で頭部にそびえ立っている。水平方向に3本のスリットを刻まれた頭部は、無機質な仮面のようにも見える。
普段はやや猫背気味の前傾姿勢を取っており、脚部に比べてやや腕部が大きい。全身に透明無垢な甲冑を纏っているが、入射光の散乱によって蒼白く見える。
・機体武装
①弩級氷晶刀〈グレイシア・ブレイド〉
:全長600mを誇る二振りの曲刀。絶対零度に迫るほどの極低温刀身には、リリウスと同様の梵字が刻まれている。突き刺した物質に低温脆性を引き起こす事で、本来の機械的強度を無視して凍結粉砕する。
②斥力加速式仮想砲身〈ディストーション・カノン〉
:リリウスのマジカルアローに相当する運動エネルギー弾砲撃機能。刀を振るうことで生成した氷晶を、機体周囲に形成したコーン状斥力場で加速して撃ち出す。
③斥力加速式弩級氷晶砲〈グレイシア・カノン〉
:永久氷晶で作り出した開放砲身型のレールガン。口径800mm相当、全長数十mの氷柱状弾体を撃ち出し、リリウスに対する狙撃を敢行した。純粋なKE弾だが、着弾すればたった一射でリリウスの腕部を根元から抉り取るほどの威力を誇る。
④対γ線レーザー全反射鏡面〈ガンマ・リフレクタ〉
:対リリウス戦で展開した即席の防御装備。γ線は通常の鏡面では反射出来ない為、マカハドマは全反射を起こすよう浅い入射角度を維持しつつ、機体周囲に数億もの鏡面を展開してレーザー攻撃を防いでみせた。
⑤低温脆性化衝角〈アイシクル・ラム〉
:頭部にそびえ立つツノはただの飾りではなく、緊急時には武装として機能する。弩級氷晶刀と原理は同様。
・機体運用
一世紀前にハドマが出現した際、ひときわ大きく強力な個体として発見されたのがコードネーム〈マカハドマ〉を与えられた本機となる。リリウスと同じく内部機構の解明には至らなかったものの、一切の補給・休息も無しに年単位の活動を続けた事から無人機械だと推察されている。
幾度か、リリウスによって撃破されたという目撃事例があるものの、数日後には再び別地点での活動が確認されている。マカハドマは何らかの方法で再生を行っているか、もしくは代替が利く存在だったと考えられている。
リリウスでさえも倒し切れなかった唯一の機体であり、人類文明は最終的にマカハドマ率いる氷の軍勢に亡ぼされる事となった。
地球全土のおよそ9割を永久凍土へ変え、人類総人口の90%(被害規模は戦後の推定値)を葬った時点で、本機を含む氷の軍勢の活動は沈静化した。現在ではかつての人口密集地を巡るように周回を続けており、当初は人類そのものをターゲットにしていたと推測されている。
しかし、リリウスに呼応して活動レベルを高める傾向も見られたことから、人類は遂に行動原理の解明を果たせなかった。真のターゲットが何だったかについては、島に残っている専門家の間でも未だに意見が分かれている。
・機体ギミック1:永久氷晶の生成
人類文明を壊滅に追いやった、マカハドマ最大の特徴にして最悪の機能。リリウスの炎以外では融かせた例のない物質〈永久氷晶〉を自在に作り出し、その低温で以て二次的に周囲を凍結させて行く。
氷の軍勢と人類の戦争において、人類側を直接的に追い詰めたのはこの永久氷晶生成機能だったともいえる。大質量・超高速砲撃によって引き起こされる"核の冬"――尤も核戦争では無かったが――もさることながら、一旦、永久氷晶を生成されてしまえばその除去は困難を極め、凍り付かされた都市部は実質的に回復不能だった。
故にハドマが各地で永久氷晶を生成し出してからは、人類は次々に居住可能地域を放棄せざるを得なかったという過去がある。
・機体ギミック2:斥力場展開
刀身から生成した永久氷晶を撃ち出す際に、機体前方へコーン状の斥力場を形成して弾体を加速している。
推進機能を弾体加速に転用する原理自体は、リリウスのマジカルアローと同様。斥力場の運用に最適化された機体構造を以て、無砲身による加速を実現している。ゆえに砲撃の自由度は高く、極めて高い硬度を誇る永久氷晶を弾体に用いても砲身磨耗を懸念する必要が無い。
最大で数万Gに達する加速度、それに耐え得るほどの機械的強度を誇る永久氷晶を組み合わせて、大気圏内で実にマッハ50にも達する砲撃を可能としている。弾体が発揮する速度・質量ともに、砲というよりはマスドライバーの規模に近い。
機体ギミック3:氷晶装甲
リリウス以外には融かせない永久氷晶を全身に纏う事で、事実上、あらゆる攻撃に対して鉄壁と言っても過言ではない耐弾性を獲得している。終末戦争末期、氷の軍勢がMtクラスの核爆撃にも難なく耐えた事から、本材質は耐熱性にも優れていることが判明した。
一瞬で山脈を蒸発させるほどのγ線レーザーを照射しても、この永久氷晶製の装甲を突破することは出来ない。しかし、断続的な照射を続ければ突破し得る。
* * *
○マカハドマ
・機体概要
リリウスの体組織を取り込んだ事で、マカハドマは自らの機能を強化、あるいは本来封じられていた機能の一部を取り戻している。
マカハドマ第二の形態とも呼べる中間形態。
・機体外見
雪の結晶を象ったユニットを背負っている。
・機体武装
マカハドマ通常形態に準じる。
が、展開可能な斥力場の強度は桁外れに大きい。
・機体運用
斥力場を展開可能。直径600mにも達する円環ユニットから展開される斥力場は、砲口初速20km/secで撃ち出された数千トンの質量弾を弾き返すほど。丈光相形態となったマカハドマは、リリウスでさえも突破困難な防御力を発揮する。
ただし、その莫大な"場"を維持する為に、当初はマカハドマの演算リソースの大部分を注ぎ込む必要がある。故に周辺空間を安定化させる為の演算が最適化されるまでは、満足に動くことが出来なかった。
しかし、その状態でもなおリリウスを圧倒し、形態拘束を解除させざるを得なくなるまでに追い詰めてみせた。
背部円環ユニットをパージすれば、通常形態と同様の運用が可能。
・機体ギミック1:蜻蛉形態への変形。
一度、リリウスを取り込んだ際に、マカハドマは変態を伴う変形機能をもコピーしていた。
リリウスの変形が飛竜なら、マカハドマのそれは首を刎ねられた蜻蛉に喩えられる。変形時は頭部を胸部に沈めつつ、ツノと刀を前方に倒して大顎のように展開。両脚とぴたりと併せて後方に伸ばし、さらに薄く透き通った四枚翅を永久氷晶で作り上げることで変態が完了する。
前方に刀身が突き出している構造上、高速で飛行しつつの衝角突撃が主戦術となる。
・機体ギミック2:ハドマ端末の遠隔操作
マカハドマに付随する端末であるハドマは、たとえ数十mクラスの破片となっても遠隔操作可能。数億、ないし数十億に達する氷晶を自在に操り、防御や攻撃手段として用いる戦術はマカハドマの本質ともいえる。
惑星表面を広範囲に氷晶爆撃出来る本機能は、恒星間戦争を繰り広げていた時代の主戦術だった。
* * *
○マカハドマ
・機体概要
全身から黄金の輝きを放つマカハドマの最終形態。本来の演算中枢を失った機体が、代わりに人間を取り込むことでフルスペックを発揮するに至った。
マカハドマの完成系にして最終形態。
・画像(下記URLから設定イラストのTweetに飛べます)
https://twitter.com/robo_robotarou/status/1027898140056145921
・機体外見
機体内部の骨格から溢れ出した無量光によって、透明無垢の甲冑が内から黄金に照らし出されている。雪の結晶のようにも見える円環ユニットは、機体から放たれる黄金光線も相まってまさしく仏が背負うべき光背と化す。
・機体武装
マカハドマ丈光相に準じる。
・機体運用
制御中枢に人間を、それもリリウスを操縦した経験がある人間を据える事によって、マカハドマが採り得る戦術の幅は格段に向上している。
生身の人間をそのまま機体に組み込んだ場合、どうしても機械制御に比べて純粋な反射速度は劣ってしまう。その点を物理的に補うべく、侵襲式の端子針をパイロットの脊髄から脳髄にかけて接続し、機体の演算機構と脳を直結する方式を採っていた。
また、リリウスやマカハドマ丈光相と同じく、コックピット内にはパイロット補助機能を備えた
機体の制御中枢として組み込まれた人間は、この永久氷晶製のドレスによって衝撃吸収・痛覚制御・情報共有などの戦闘支援を受けられる。結果、生身の人間の限界を遥かに超えた領域での戦闘機動が可能となる。
終末翅奏少女リリウス☆セレナーデ【完結済】 鉄乃 鉄機 @43121523
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