崇期

とにかくギャグのゆるさがいいし、人間ドラマも温かくて素っ飛んでて、すごくいい。
最近、こういうの読んでなかったー、読んでよかったーと思えるコメディでした。

読んでいて、とても胸が苦しくなる内容が含まれていました。 それなのに主人公はギャグ漫画を手にSさんに会いに行く。 その語り口は明るく、人と人とのつながりがどこまでも尊く温かい。 …続きを読む

少し反抗心を持った女子生徒と、病気で休んでいる担任教師の代わりを務める新米先生のお話。 職業は違いますが、わたし自身も人に強く言えない性格で、これで本当に良いのか？　これが本当の…続きを読む

昔話のパロディーはカクヨムにはたくさんありますが、それぞれに独特のカラーがありますよね？　こちらの作品は、お話自体がどれもチャーミングでわたし好みでした。 タイトル自体も愉快ですし…続きを読む

作者様の言の葉イリュージョンが存分に楽しめます（一応、大喜利です）。 （本文より） でも、どうしてこんなに楽しいんだろう。釈然としない人生が、 釈然としない毎日が、 釈然とし…続きを読む

この物語を読むと、「大便」をおふざけワードにしたり汚らしいものとして遠ざけていたわたしたちが間違っていたのだと、気づかされます。 恋のお話でもあるし、愛のお話でもあるな……と。 …続きを読む

小説やドラマでよく用いられるシュチュエーションを、当たり前のように居合わせてしまう語り手・鈴木さんが揶揄していく、つっこんでいく物語なのですが、よくよく読んでいると、フィクション世…続きを読む

主人公と友人・シオンとの思い出が綴られた物語です。 本文に「心がありそうなところ」という言葉が出てくるのですが、「心」や「思い」について語られる小説を読んでいるとき、そこにしか存在…続きを読む

主人公の「我慢の限界」の沸点の低さがたまらなく良い。
信号のエピソード、映画館のドアも目からウロコでした。
この面白さは「くだらなさの見本」です。本当にありがとうございます。

グループ活動で集まった大学生たちが、謎の隣人の目覚まし時計について、あれこれ推理合戦＆感想列挙していくという小説。 日常ネタ、「人それぞれ」な着眼点、「目覚まし時計によるまさかの◯…続きを読む

バレンタインデー、ハロウィン、クリスマス……と、日本にはたくさんのうきうきイベントがありますが、日本の代表的菓子メーカーが、新たなイベントを世に提唱し、それに合わせたパッケージ商品…続きを読む

「ぬちゃあぬちゃあぬちゃあぬちゃあ」 ぬちゃあぬちゃあ……としているような小説なんだけれど、すごく引き込まれる。主人公の気持ちは無視できない。少しくらいは共感できる。でも、実際に…続きを読む

とある唯一無二の女性アーティストのことを綴ったお話。 後半、これを読みながら私も「チキショウ！」と思いました。 この人のアルバムが欲しい。この人のＭＶが観たい。 私も過去に自分…続きを読む

夜のバーにまでわざわざ出てきておいて、それでも自分の世界に浸り、「とある日課」に没頭していく主人公の「わたし」がどことなくかわいいし、可笑しい。 風景描写も人物描写も見事でものすご…続きを読む

外を降っている「雨」と窓を流れる「雨だれ」は違う…… そのことを思わせてくれ、ハッとなりました。 主人公の心の中をゆっくりと流れ落ちる思い出、印象的なシーンをつなぎ合わせたような物…続きを読む

二人の少女が「折れたタンポポ」について対話を重ねる物語です。 目の前の事象から少しずつ少しずつ世界や他人に触れていく様子、近づいたり広がったりする視点がものすごく丁寧に描かれていて…続きを読む

コロッケより……なんて申し上げてすみません。 メンチカツもいい悪役に仕上がっていますし、魔法も異世界も実にサクサク軽やかな歯触りで最高でした。 おいしいモノ（物語）にソースなんて…続きを読む

作者様の詩小話集をいくつか読ませていただきましたが、どれもメルヘンの軽やかさと現実の重さが同居しているような、表裏一体となった世界がなんとも言えない読後感をくれます。 シンプルだ…続きを読む

ユーチューバーの配信で「魔法のランプ」のことを知り、自分も体験してみたいとランプに会いに行く大学生のお話です。 なんとなく、藤子・Ｆ・不二雄先生のＳＦ短編に出てきそうな感じの、ご…続きを読む

何気なく読んでたらとんでもなく切ないお話だということに気づきました。チンパンジーが出てきますが、人間の社会性というものがさりげなく滲みでていると思います。オチもタイトルも泣かせます…続きを読む

ニューワールド（「なんか面白いお話ないかなぁ〜」）を求めてカクヨムという名の宇宙をさまよっていたときに出会いました。 本作はウェブ小説へのまっすぐな思いと共に展開されるＳＦ快作で…続きを読む

てのひらに「人」を書いても書いても追いつかない恐怖がここに……。
笑いと緊張が相まみえる注目の作品！！　非常に怖くておもしろかったです。

物語に登場する様々な出来事はたしかにコメディでしたが、非常に文学な内容でした。 サトちゃんも、ジョナサンも、清美さんも、田中くんも、ミーちゃんも、なんだかものすごく悲しかったです。…続きを読む

特にキャンプ好きとも思われない初心者風の男たちが湖畔に集まりキャンプを始める、という物語。 なんとなく侘びしい類のお話かと思いきや、そうじゃなかった。 坂を転がり落ちていくような展…続きを読む

道に倒れていた人に声をかけたらいきなり羽釜を出してきた──。 ガスコンロやＩＨまで出張ってきた昨今の炊飯事情についていけなくなった「竈の神」のお悩み相談的ストーリー。 怪しいお…続きを読む

どこか内向的な感じの男性主人公による恋のお話です。 ユーモアに溢れた語りが満載ですが、この主人公は「社会適合能力が欠けている」と自己評価していて、決して楽しい学生時代を送った人で…続きを読む

どなたも知らないかもしれませんが、カクヨムで「笑い」の作品の企画をやっている者です。こちらの御作をこの度、大賞に選ばせていただきました。 神輿に体を預けて尻をコキ、峠を激走する「…続きを読む

角田拓三さんという、とある修理工の仕事っぷりを追ったドキュメンタリータッチのお話です。 この人はいつから、どういう理由で、カレーライスに対してこういうことを行うようになったのか。…続きを読む

これ、児童向け文学なんですね。 こういうお話を子どもにお届けできる作者様のセンスがオサレ！ 子どもたちよ、YouTu⚪︎eばっか観てないで、物語も読んでみなされ。 祖父母の言うこ…続きを読む

幽霊が出るという事故物件に主人公が住むという、SFコメディ作品です。 「期待を裏切られる」とか「想像の斜め上を行く」とか、フィクション作品によるそれらの快感を十分に持ち合わせてい…続きを読む

競走馬「オルフェーヴル」への愛もひしひしと伝わってきますが、 競馬に興味がなくてもつい惹き込まれてしまうような、愛すべき登場人物たちによる心地よいユーモア世界があります。 フィク…続きを読む

外回りから帰ってきた主人公のデスクに置いてあった、誰かのお土産のお菓子。 甘い誘惑に負けて口に入れたことで起こった悲劇が描かれています。 ブラックな内容だと思いますが、読後「ずし…続きを読む

不眠症のマミカはティーテーブルで、睡眠薬をたっぷりまぜたペールオレンジの紅茶を啜りながら、人工パンケーキや首切れ少女のぬいぐるみ、腐乱死体たちと、謎の思想や忙しない言葉たちの自己主…続きを読む

人々が常に強化外骨格〈シェル〉を身に着け、家族や恋人と一緒にいる時も裸になることは許されない管理社会。 これがこの作品の核となっているのですが、そこに馴染み、優しい恋人もいて、自…続きを読む

驚きました。 驚きの鉄道員さんのエピソードがこちらには書かれています。 読んだ人だけ知ることができます……。 私も、過去にいろいろ噂の駅員さんのお話を聞いた事があります。 駅は人…続きを読む

作者のおすすめに従って、私も二周読ませていただきました。 はじめは、とてもメルヘンチックな素敵なお話だなぁ……と塔の中の閉じた世界に届けられる風景をつらつらと楽しんでいました。 …続きを読む

いつも個性的な言葉たちが作品世界を牛耳っている、というのがこちらの作者様の作品イメージ。しかし今回は「むむっ、なんだか違うかも」と思いました。 意味や音声のみでしか生きられない、…続きを読む

さりげない語りだと思いますが、文語選択の豊かさが光って星となり、人の暮らしとその物語をそっと照らして応援しているかのようです。 これを読むだけで空腹時に赤いきつねを食べたのと同じ…続きを読む

作者様のコメディ作品をたくさん読ませていただきました。 今現在これを読み終わりました。 ユニークな登場人物、テンポの良い会話、起こる事件・出来事、気持ちのいいツッコミ…… どれも…続きを読む

何やら難しそうな研究の結果、人を襲うようになった柿との闘いの物語です。 Ｂ級映画に詳しくない私でも、作者様が推すＢ級映画の魅力が存分に伝わってきました。 文学であり、映画でもある…続きを読む

文学に登場する虫や植物は、かよわい生命体として描かれがちなものなのかもしれません。 この小説を読んでいて、十数年前に市役所のエレベーターの壁に止まっていた「うりは虫」を思い出しまし…続きを読む

子どもたちには幸せな未来を過ごしてほしいといつの世も誰しも思っているはずなのですが……。 あの歌を知っている人たちが抱いた強制的・ノルマ的な苦痛。ＳＦならではのジャンプ力ある発想…続きを読む

文学の中でくり返されるフレーズって癖になるものですけど、この物語の主人公も、なにか通常のホラーとは違ったものに取り憑かれちゃったのかもしれないですね……。 シンプルな擬声語がこん…続きを読む

ヒッチコック監督の作品を思い出しました（本当でしょうか？） 人々に襲いかかる「花束の大群」。イナゴの群れ、カラス……（作品には出てこないかもしれません）。 とにかく列島パニック…続きを読む

これは非常に怖かったです……。 事件の当事者たちは結構陽気なものかもしれないですね。 こういう世界がどこにでも存在していることを感じます。 外の世界から見ると、明らかにおかしい、…続きを読む

こういうパロディーもいいですねぇ。 登場人物たちが個性豊かで、趣味を謳歌してて、それも和みます。こういう笑いは結構好みでした。 地雷って考えたことなかったですけど、私の地雷は「小…続きを読む

内容は読んだらすぐにわかるでしょう。あの話題になった発言について書かれています。 ＳＮＳで、人々が何の気なしに行ってる反応も怖いし、さらりと書かれているからこそ余計にズシンとくる…続きを読む

ルーヴィンに愛の手を差し伸べたいけど……無理。 とんでもない「紙皿」作品ですね。 でも、仕方ないことも、どうにもならないことも、世の中にはいっぱいありますよね。 途中まで主人公を…続きを読む