ひろしの七罪

作者 淀川 大

92

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★★★ Excellent!!!

ニューワールド(「なんか面白いお話ないかなぁ〜」)を求めてカクヨムという名の宇宙をさまよっていたときに出会いました。

本作はウェブ小説へのまっすぐな思いと共に展開されるSF快作です。読者を惹きつけ、想定内や想定外のオチで終わらせる、という作り手のサービス精神はいまや当たり前のように語られ、品評され褒められたり貶されたりをくり返されるうち、私たち読み手も「大切な何か」を見失っているのではないかと常々感じておりました。

注目されること、当たり前のように面白いことも大事なのですが、それにより「個人」のこだわりや想いが薄まってしまうことは本当に悲しいし嫌だと思っています。

そういう意味で、こちらの作品は、誰もが楽しめる「わかりやすさ」や「遊び心」に加え、作者様の表現に対する正義や個の主張のようなものを感じさせてくれました。

それが「ひろし」という名に込められていると思います(おそらく)。

私も「己を忘れず」これからも楽しんで創作していきたいです。

★★★ Excellent!!!

確かにエンタメだけど、「私小説でもあるよなあ」と感じてしまった1本。いやこれ違うでしょ、とおっしゃる向きもあろうが、当レビュー筆者はそう感じてしまった。舞台は凄惨きわまる戦場。戦況はかなり厳しいのに、そこはかとなくおかしみが漂うのはどうしてか。淀川様の読者諸氏ならご存じの、あの展開も健在。そして「最後まで」読んだときに明らかになる「ひろしの七罪」とは…? 三部作の1作目ということで、二作目以降への期待が個人的に高まっている。Web小説世界に一石を投じる、かもしれない衝撃作。

★★★ Excellent!!!

作者の紡ぎ出される物語には、いつも驚かされてばかりです。

とんでもない短編です。いえ、本当に。
インパクトが大きすぎて、うなってしまいます。
Web小説を読者がどう読むかをよくわかっていらっしゃる。というより、実験的な意味合いもあるのでしょうか。

きちんと読めば、爽快が最後に待っています。
私はネタバレしたくてウズウズしています。
この作品の構成には、天晴れ!というしかありません。