鹿月天

人里離れた竹林のそばでひっそりと、優しいじいさんばあさん夫婦に育てられたタケナ。やがて美しく成長したタケナは自分が何者なのか、生きて何をすべきなのかを知るため竹林を出る。

『日本書紀』は皇極天皇の二年十一月のこととして、蘇我入鹿が山背大兄を死に追いやった事件を載せる。それは入鹿が古人大兄を天皇にしようとしたからだという。 しかし山背と古人はともに…

水槽の中のその生き物は、この世の何より美しく、何より優しく、そして、何より人間を愛している。

擬人化国家たちが繰り広げるしっちゃかめっちゃかした無茶苦茶で何でもありな高校生活。 同級生同士が常に喧嘩(戦争)をしてたりと、現実離れした凄く物騒な高校生活ですが温かい目で見守…

頭の中で生まれては消える些細な話、それを忘れぬうちに記していく場。以前詩として書いた物のうち、小説に分類できると思われるものもこちらに入れていきます。 中身は大体こうなってま…

編集プロダクション・ファルスに持ち込まれた一通の手紙。そこには、ある女性からのSOSが隠されていた。 彼女は男性占い師に軟禁され、複数の女性達と共同生活をしているらしい。手紙の女…

Twitterにも公開中の短歌を纏めます。 よろしければ共に歌いませう。 ※毎週土曜or日曜一首更新予定

雪彦が一之瀬家で暮らし始めて、５年が経った。 その夏、雪彦は義弟の嵐志と共に一宮で行われる夏祭りに出かける。彼の目を通して見る『祈り』の夏の話。

「この世界には、顔も名前も持たない“端役”が存在する」 現実と似て非なる世界“エルデ” 来栖雀榴(ｸﾙｽ ｻﾞｸﾛ)は出会って９年になる友人の名を一度も呼んだことがない。 この世…

できれば、さいごまで、一気に読んでください 朗読版もあります https://youtu.be/JtEuBeDm4Ao 妹を失った私が、女子高生らしきものと出会う話です。

1500PV御礼。平安時代の京。受領階級の清原元輔の娘、梛は方違えを機に、三つ下の少女香と出会う。物語好きの二人はそれを機に文を交わす様になる。香は自分でも物語を書き、梛に読ませ…

毎日一篇更新していました。 1000pv突破（2020/7/31付） 完結済に変更（2021/3/27付）

古代のエジプト、ギリシア、マケドニア、オリエントを舞台背景にし、ヘルメス・トリスメギストスの＜秘儀＞を求める ピタゴラス、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、そしてアレクサンド…

3400PV御礼。 「源氏物語」以前の長編古典ものがたり「うつほ物語」をベースにした、半ば意訳、半ば創作といったおはなし。 清少納言たちも萌えた！　と言われている男子中心のものが…

江戸、両国界隈で商いをする者たち。今宵は庚申講で寄り合いがある。 乾物屋の跡継ぎの紀一郎は、同席者に高麗物屋の長子・伊織がいることを苦々しく思う。 伊織には不可思議な噂と、ある二…

大阪府高槻市。私が生まれ育った街。歴史の息吹が宿る場所。 市内に点在する史跡を訪ねて、のんびり、てくてく、歩いてみると、子供の頃には気付かなかった郷土の魅力を再発見──ああ、や…

倭国大乱。 豫国（架空の四国）で巫女の見習いをしていた少女ナルは、春迎えの夜、倭国王子の使節団と遭遇する。彼らは、倭国の大乱を治めるため、東の超大国である豫国の巫女を求めてきたの…

『今昔物語集』巻第二十五「源頼信の朝臣の男頼義馬盗人を射殺す語第十二」「藤原親孝盗人の為に質に捕へられ頼信の言に依りて免す語第十一」ほぼほぼそのままのお話です。 本作の主人公は…

平安末期、源平合戦の一つ、《保元の乱》で活躍した武将源為朝の伝説の一つ、《大蛇退治伝説》をアレンジした物語です。為朝に関する詳しい資料があまり見つからなかったので、ほぼフィクショ…

大の桜好きで有名な貴族・成範は、たったの七日で散りゆく花の命の短さを儚み、とうとう祈祷に手を出した。 その様子をこっそりと伺う、一人の天女に気付くこともなく……。 能の演目『…

時は平安末期、鞍馬寺を出、奥州藤原氏に身を寄せた義経はそこで様々な精霊や人と出会う。 その出会いの中で、九郎は何を学び、何を選ぶのか。

　時は平安。 　あるところに身分は中くらいでパッとしない、頭は悪くて顔も悪い、チートもない、出勤拒否で引きこもりの若者がいました。 　いいところは何もありませんでした。 　そん…

諸葛孔明の「出師の表」に名前だけが出てくる、三国時代の蜀の武将、向寵（しょうちょう）。 この影の薄さ、果たして名将、それともただの凡人なのか？ 実は向寵、少数民族「苗（みゃお）族…

戦国時代も末の薩摩と日向。まだ島津が伊東氏と五分の争いを繰り広げていた頃。 舞台は島津の有力支族、北郷氏の居城。 才色兼備の姫君は、ある日出会った姉弟を気に入り、城に迎え入れた。…

タイトルは「けいまいいど」と読みます。2004年に西安市郊外で発見された奈良時代の日本人、井真成(せいしんせい)の墓誌にある言葉「形既埋於異土魂庶帰於故郷」からとっています。その…

「うちのネコ～」６作目は番外編。（2～5作目もほぼ番外編ですが） うちの飼い猫ノブナガは、中の人が異世界の織田信長とつながっているのだ。 今日もヒノモト町を統一するため戦い続けて…

　時は戦国、山深い大木村に、「巫女姫」と呼ばれる少女がいた。年は十九、小夜（さや）という。風を操る不思議な力を持っていたが、その力は村内だけの秘密とされていた。 　ある日小夜は山…

大正某年。作家の千手法蔵に才能を見出され、嗣見チエ子は上京する。 千手の屋敷で出会ったのは三人の弟子達。 そして、『ぬえ』と呼ばれるものだった――。 文に悩み、文に迷い、そうし…

夕日のオレンジに染まる教室でのんびりと放課後を過ごす、読書家で深窓の令嬢といった雰囲気の女子高生・杵津(きねつ)と、それとは正反対の日本人離れした容姿を持つ金髪の同級生・近藤。 …

　奈良時代に入り、国の枠組みがしっかりして、社会が安定すると、支配層は流血をともなう権力闘争を始めます。上が政治を顧みなくなると、下は私利私欲に走り、国の枠組みがおかしくなってゆ…

我が国の歴史にとって、あまりにも有名で、あまりにも重要な期間というものがある。 その時期には、決まって、獣が現れる。 雷のように降り立ったその獣は、天の智を喰らい、地の武を破る…

　崇峻天皇は、その治世第五年の十一月三日に暗殺された。この年は、隋の文帝の開皇十一年、西暦では592年に当たる。当時は天皇号はまだ無く、実際の地位は倭王で、その人物は泊瀬部王と呼…

3分間で読める1000字以内の小説集も読むのもかったるいという人のために、更に短い小説を書きました。 目安としては200字以内です。 1話ごとに全部別々の独立した話です。

ありえない程の不幸体質により、自分は他人の人生の脇役・支え役に思えてしまう真城創伍は、ある日、血まみれになった白い髪の美少女と出会う。古今東西の人間が想像した作品が具現化される異…

うちの兄、諸葛孔明は襄陽でも有名な文章家。 でもそれを読んだ人はなぜか、みんな不幸になっていくけれど……。 ところである日、そんな兄にお嫁さんが来た。 名前は黄蓮理さん。まさかの…

詩です。それ以外にはありません。動物園に行けば動物がいます。そして詩の集りには詩がいます。

唐の貞観２１年（西暦６４７年）、１８歳の娘、王玄策を正使とする使節団は唐の都長安を出発し、天竺に向かった。 しかし使節団員たちは癖のある者ばかり。副使の蒋師仁には、この旅が平穏無…

「起きろ、蘭丸。出陣じゃ！」 あたしは、うちの飼い猫『ノブナガ』に叩き起こされた。おい、お前は織田信長じゃないし、あたしも森蘭丸なんかじゃないんだけど。 はあ？　今川さんちの『マ…

中宮彰子は夕刻になると、寝所に戻るのを嫌がる。側仕えの紫式部を相手に、粘り強い「碁」を打ち始めるのだ。

高知県出身者による土佐弁講座。 これまで無意識に使っていた土佐弁について改めて調べ直したのですが、実はかなり奥が深いことがわかりました。 これもまた「日本の魅力の再発見」ですね。

その日は雨だった。フリーターの清水亮は幼馴染みの愛川千春と再会する。しかし彼女は過去の記憶を失っていた。なし崩し的に同居を踏み切られる形になって始まる新しい生活。それは暖かくも…

天明六年（１７８６年）五月一五日―― 失脚の瀬戸際にあった田沼意次が祈祷を行った。 その願いが「大元帥明王」に届く。 結果、21世紀の現代に住む俺は江戸時代に召喚された。 俺は、…

各宿場町に設置された民間の用心棒を雇うことができる『棒貸屋』 主人公・モモンガは用心棒でありながら酒に女に金と私欲に溺れる日々を過ごしていた。 江戸では正体不明の『辻斬り狩り』な…

　平安時代の終わりごろ、源平が争った激動の時代に 日本一の大天狗、後白河天皇の第三皇女、式子内親王 と権中納言、藤原定家の身分違いの恋が始まる。 死後にテイカ葛になって内親王の墓…

頼豪阿闍梨怪鼠伝（らいごうあじゃりかいそでん）のあらすじ調まとめです。 馬琴センセイの読本のひとつで、あんまり知られてないやつです。 ストーリー知ってる人もそんなにいないみたいだ…

和風ファンタジーで、平安風な世界に飛んでしまった主人公の話です。 エブリスタ、妄想コン「雨の日」落選の転載。

盛唐時代を代表する詩人、李白。彼にはもう一つ、「剣客」としての生き様があった――。 侠客たちが剣を競う武侠世界を舞台に、剣侠・李白の冒険を描く！ ギャグあり、シリアスあり、アク…

十四歳の陰陽師、賀茂浅葱は都一と謳われながらも、その実は平凡な少年であった。ただ少しだけ他の陰陽師と違い、精霊とは契約を結ばず、本来であれば敵である妖（あかやし）との契約に重きを…

平安中期に書かれた小説、『源氏物語』。 その源氏物語をライトノベル風に読みやすく、わかりやすいことを重視して描きなおしたのがこの作品です。 この作品で源氏物語に興味を持った方は…