概要
侠客たちが剣を競う武侠世界を舞台に、剣侠・李白の冒険を描く!
ギャグあり、シリアスあり、アクションあり。
……たまに下ネタあり。そんな感じの娯楽小説です。
連作短編形式なのでどこから読み始めていただいても構いません。
「つまみ読み」歓迎です。
「抄録総集」がそれまでの総集編なので、そこまでショートカットするのもありです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!誰もが知っている詩人李白の誰も知らなかった冒険がここに!
中国唐代の詩人にして、「詩仙」と称される李白。彼が遺した詩は教科書にも載っていたりするので、読んだことのある人も多いでしょう。
本作はその李白が主人公なのですが、おそらく我々がイメージする李白を大きく覆すこと間違いなし!
本作で描かれる李白はまだ少年と言っていい年齢。それなのに酒と碁が大好きで、なぜかジジイ口調で喋り、目的のためなら向う見ずに突進し、気に入らないことがあればすぐ口答えをする。
そしてこの李白、口が達者なら腕も達者で、己の前に立ちふさがる悪党が居ようものなら並外れた拳法で成敗する。
中国の武侠小説を彷彿とさせる本格的な格闘描写は必見です。
一見型外れのようでいながら、時折ス…続きを読む - ★★★ Excellent!!!李白、って誰だっけ?
李白というとどこかで聞いたことのある名前です。
中学の国語の授業で、杜甫とセットで覚えた昔の中国の詩人。
どんな人物だったのか……というのを大胆に描いたのがウェブ小説ならではの勢いで描いたのが本作。
フィクションならではの、李白がおバカをやるコミカルなシーンがあると思えば、作中で描かれる事件はけっこう重いもので描写も重厚。
武侠ものとしてアクションシーンの派手さに感嘆するかと思えば、主人公李白だけでなく金剛智や不空といった史実の人物が登場するなど、歴史方面のファンもうならせるほど本格的。
歴史とか唐とか難しそう、と思うような方にも読んでいただきたいです。 - ★★★ Excellent!!!武侠小説の本流
ああ、武侠小説はこうでなくっちゃ!
それが、この作品を読んだ時の率直な感想だった。
映画好きである僕は、ガキの頃「決戦・紫禁城」や「セブンソード」を見て、胸をときめかせた。そして、こんな小説はないものか? と、探して出会ったのが、金庸や古龍が描く武侠小説の世界だった。
それから時が過ぎ、武侠熱が冷めた僕は、時代小説の人になってしまった。
しかし、この「剣侠李白」が遠き昔日の記憶を蘇らせてくれた。
武侠小説の本流とも言える、文章によって!!
例えば「紅袍賢人 第四節 足場なき空中戦」から引用すると――
・李客はわずかに上体を仰け反らせてこれをやり過ごし、追撃の騰空飛脚を低く伏せ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!それは豪快な武術の奥義のように繰り出される文章。引き寄せられました
放心散漫知何在――つかみどころのない盛唐の詩人「詩仙」李白のイメージを珠玉のエンタメに落とし込んだ、豪快な架空歴史アクションです。
基本的には笑えるシーンもふんだんに盛り込んでありますが、緩急がしっかりしており、この作品の最も魅力的な、息もつかせぬ戦闘描写を引き立たせています。
氏の別作品であるところのエッセイ「小説家のための武術秘伝」を自ら実践したものであるといえるでしょう。
是非ともこの圧巻の冒険譚を、少しでも多くの方に触れていただきたい。少なくともジャンルの好みだけで見逃してしまうには惜しいですよ。
不空や翡蕾、そして敵に至るまでどのキャラクターも人間味に溢れているのですが、それ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!武侠小説ミーツ・ライトノベル
「東方不敗」と聞いて、「アレを切り取った変態ジジイ」を思い浮かべるあなたは、直ちにこの小説を読むべきです。
ガンダムのキャラクターを思い浮かべてしまったあなたも、騙されたと思って『剣侠李白』を読んでみて下さい。きっとこの世界の魅力に、心を捉えられてしまうことでしょう。
そもそも、「武侠小説=ラノベの元祖」的なことは、以前からよく言われていました。金庸作品なんか、ツンデレヤンデレ美少女がいっぱい出てくるオレTUEEE系だとも言える要素があるわけで、もともとラノベとの親和性が高い。この『剣侠李白』は、文章も適度にライト、ギャグ要素も詰め込まれて、とても読みやすい作品となっております。唐代を舞…続きを読む