単純明快に面白いです。
水滸伝には疎いのですが、全く問題無く楽しんでいます。
面白さのツボが明快で文章も読みやすく、
展開も滞りなくどんどん読めます。
会話も軽妙で、時にコミカル時にラブ要素。
しかし基本は、義侠心に厚く、蔓延る悪党を怪異を成敗するふたり。
なんとも賑やかな物語なのです。
中国の北宋時代を舞台に梁山泊から野に下った少林拳の名手燕青と、縁あって彼と知り合った道士の少女、祝四娘。
そして、ふたりは魔物を祓う旅へと出立します。
その先に待ち受けるは、波乱万丈の物語。
無辜の者を苛む墓虐の徒、人外の悪鬼妖魔の類まで一切合切退治する。
痛快武侠退魔道中記。
ご覧にならねばもったいない。
舞台は中国は北宋時代。
主人公は少林拳の使い手の燕青。
燕青は、ひょうんな事から道士の少女・祝四娘と出会う。とあるきっかけから二人で旅をする事になるのだが……
武侠小説とあってバトルシーンが痛快。燕青の強さがともかく頼もしい。しかし、強いだけでなく、人柄も良く、時に熱い義侠心も見せる。
勿論、共に旅をする四娘もなかなかの強者。と言っても、拳法の強さではなく道士として。普段はつるぺたで可愛らしい女の子だが、魔物退治に出た時などは、時に燕青よりも逞しく見えるほど。
二人の旅は痛快愉快で見ていて飽きない。第二部からはまた違った毛色も見えてくるため、何かと見逃せない。
オススメです!
昨今、どんな作品だろうと、魔力やステータス、ありふれたような超能力など「それあの作品で見たなぁ、ここは独自解釈かな?」レベルのオリジナリティの披露にとどまってしまっています。
その点この作品は別種の文化によって、別種のオリジナリティを発揮されています。これは表現技法まで作り込まれており、それだけでも読む価値ありです。
さらに加えて、キャラの魅力も素晴らしいです。会話劇も面白いのですが、主人公の余裕の出し方が個人的に秀逸だなと感じました。
私は中華圏にそこまで詳しくは無いのですが、ちゃんと教えてくれるので、知らない文化圏の話ではありましたが、すんなりと読めました。
タイトル通り、この作品から流行りが生まれてもいいほどの一品。一度見てみてはどうでしょうか。