筑前助広

著者初読み。 明治という江戸時代の香りも残しつつ、そして近代も感じる時代が舞台です。 そうした時代の過渡期で、伝奇を書くという目の付け所が妙。勿論、それだけ構成やストーリーが難しく…続きを読む

かのシャーリー・マクレーンや某Ｔ先生は何度も候補になって落選し、最後に受賞したときに『私がもらって当然だ』と言ったそうですが、僕もそういう感じです。 何せ最終候補に七回選ばれての落…続きを読む

質の高い、文章力が時代の空気感を醸し出す事に大きく作用した作品でした。 WEB歴史時代小説で、文章と時代がマッチした作品は実は少ないので、それだけでも、この作品の質と作者の力量が…続きを読む

ガツンとくる、硬質な文章。 それはハードボイルド。その文体から紡ぎ出されるものは、砂塵舞う荒野の酒場で、喉を焼くようなウイスキーを飲むが如き物語である。 各話のタイトル、描写、セ…続きを読む

織田信秀。かの信長の父親だが、ただそれのみで知られ、どう戦ってきたか判らないし、学ぶ機会もなかった。 本作は、猫を擬人化し簡単にその経歴をしる事が出来る。 こうすると、案外情報は…続きを読む

物語の舞台は、戦国。 それも、織田信長が飛躍の為に乾坤一擲の勝負に出た、桶狭間の戦いから始まる。 改めて書く必要も無いが、永禄3年5月19日午後1時は雨だった。 視界も定かではな…続きを読む

conte de fées noir（コンテ・デ・フェス ノワール） この物語を読み終えた僕は、そう思った。 conte de fées noir。その意味は、「暗黒童話」或いは…続きを読む

千葉さな子のような、武芸ガールが踏み込んだは、江戸時代だけど不思議な世界。そこで少年と出会い、元の世界に戻ろうとするというストーリー。 ジャンル的には伝奇になるが、闊達な少女と明る…続きを読む

ああ、武侠小説はこうでなくっちゃ！ それが、この作品を読んだ時の率直な感想だった。 映画好きである僕は、ガキの頃「決戦・紫禁城」や「セブンソード」を見て、胸をときめかせた。そし…続きを読む

まず文章を読んで、僕は芳醇な海外小説の香りを覚えた。 著者の読書経歴やパーソナルな部分は把握していないが、物語同様に英文学などに深い知見と親しみがあるのだろう。 なぜならば、洗練…続きを読む

圧倒的知識量で読者に読み進める事を迫る作品である。 その知識量は、大海の潮流と呼んでもいい。 潮流に流される者もいるだろうが、潮目を見極めた者はある種の快感を覚えながら読み込んでい…続きを読む

これは面白い。地に足が着いた文章は安定感があり、故にストーリーが頭に入ってくる。つまり、死角がない。WEBより紙媒体で読みたくなる作品です。WEB歴史時代小説ファンへオススメします…続きを読む

カクヨムでこの作品に出会えたのは僥倖でした。 東京に馴染みはありませんが、都内の地図とにらめっこしながら時代小説を書く僕にとって、大きなアシストになる事でしょう。これからの更新に期…続きを読む