愛の果てのブルボン

作者 名月明(アキラ)

47

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★★★ Excellent!!!

16世紀フランス、カトリックとプロテスタントの内戦のさなか。
大虐殺を目にした少年王は、寛容な王になろうと決意し。
王に仕える少年は、生き残るため、苛烈な男になろうと決意する。

ジャンヌ・ダルクが活躍した英仏百年戦争(15世紀)と。
『ベルサイユのばら』のフランス革命(18世紀)だけ知っていて。
(『ベルばら』はブルボン朝で、ジャンヌ・バロアって女性がいましたね)
それ以外のフランス史はサッパリな人間です。
「聖バルテルミーの虐殺」も三アンリも初めて知りました。
本作の直後の時代である『三銃士』も、よくわかりません。

……という私でも。
連載中に、ちょっと遅れて読んでいたのですが、スルスルついていける。
話の根幹は宗教戦争と重いものの、登場人物たちは人間臭く、親しみやすく。
アンリばっかり三人も登場するのに、混乱しません。
このわかりやすさは驚異的。

ジャンヌの頃もそうでしたが、パリって従わせるの大変な町ですよね……。

史実に疎くても絶対大丈夫なので、ぜひ読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

ヴァロワ朝末期という、日本人にはあまり馴染みのない時代を扱っていながらするすると読み進められるのは、著者の高い力量のなせる技でしょう。
フランス史では有名な「三アンリ」と言われる人達が登場していますが、この三アンリ、実に複雑な関係です。これが史実なのだから驚きです。
史上有名な聖バルテルミーの虐殺についても、本作で初めてその真相を知りました。
この時代を描いた作品は他ではなかなか読めません。希少価値のある一作です。

★★★ Excellent!!!

 構成、ストーリーから人物描写、伏線の張り方。どれも素晴らしい!

 舞台は16世紀フランス。カトリック対プロテスタントの宗教戦争のまっただ中。その動乱の中を生き抜いていく二人の主人公を描いています。

 歴史小説はなぁ……と嫌気することなかれ。物語としても傑作です。児童小説も書かれているからか、わかりやすく面白いです!

 アンリ、アンリ、アンリと同じ名前がたくさん出てくるので、頭がこんがらがるんじゃないかな、と読む前まで思っていましたが、これまた作者の素晴らしい筆力でカバーされ、全く問題なく読みすすめられました。

 ぜひ読んでみてください!!

★★★ Excellent!!!

16世紀のフランス史実に基づいて描かれた本格歴史小説です。
当時、カルヴァン主義の浸透から、プロテスタント(ユグノー)とカトリックの対立は王侯貴族にまで波及し、ついに情勢は武力衝突にまで発展していくわけですが、そういったいわゆる「宗教戦争」の時代が舞台の物語になっています。

この時代を代表する偉人としては、やはりブルボン朝の開祖であるナヴァール王アンリ(アンリ四世)が人気も高く有名ですが、この作品ではその腹心の部下であるシュリー公マクシミリアンも大きく取り上げられており、両者がダブル主人公としてストーリーを牽引していくのが特徴でしょうか。

個人的にフランス史は、高校生だった頃に受験科目として勉強した以外だと、過去に通史の本を何冊か読んだ程度の知識しかありません。
しかし、やはり名前以外は何となくしか知らなかった歴史上の人物たちが、生々しく個々の「キャラクター」として語られるのは、凄く面白いですね。
丁度、かのリシュリューが台頭してくる直前の時期でもあるので、時折アレクサンドル・デュマ『三銃士』に描かれた世界との地続き感覚を楽しめるのも、興味深いところ。

フランス史に心惹かれる方は是非ご一読を!

★★★ Excellent!!!

さすがは歴史に精通している作者さんの小説だと思いました。
ヨーロッパで起こった宗教戦争のことが面白しろく、わかりやすく描かれています。

主人公はマクシミリアンとアンリのダブル主人公のようです。二人が今後どのような活躍を見せるのか、西洋の歴史を良く知らない私はドキドキしながら楽しみにしています。

結構長い小説になりそうなので、ゆっくりと読み進めるのが良いと思いました。

この小説がなかったら登場人物、絶対名前を覚えられなかっただろうなぁ……。

★★★ Excellent!!!

上手い。
その言葉に、全てが集約されている。
文章の上手さは言うに及ばず、台詞回し、構成、ストーリー、全てが上手い。まず、その一点に感嘆である。
また当然だが、上手さには面白さも内包されている。上手いから面白い。面白く見せられるスキルが、著者にはあるのだ。
web歴史時代小説界隈でそこそこ長く作品を見てきたが、この作品の極上具合は五指に入るのではないだろうか。
本当に、上手い。

果ては佐藤賢一御大の二世になるかもしれない作家の仏史小説。読んで楽しみ、読んで学び、今から青田買いすべし!