圧倒的知識量で読者に読み進める事を迫る作品である。その知識量は、大海の潮流と呼んでもいい。潮流に流される者もいるだろうが、潮目を見極めた者はある種の快感を覚えながら読み込んでいくだろう。また作品の構造も、エンターテインメントとしての小説と学問としての考証の狭間にある。そうした作法は人を選ぶかもしれないが、僕は稀有な時代を描いている事を加味してもお勧めしたい。この作品は、知識欲を満たしてくれると!