***** 教授のその後 *****
そう言えば、綾香と人には言えない禁断の関係にあった教授は、どうなったのでしょうか?
実は、教授職を解かれ田舎に帰ったのですが、綾香との事が諦め切れず、失意のうちに肺ガンの為、68歳の生涯を閉じていたのです。
綾香とマンションで逢引き現場を奥様に目撃されて以来、冷め切った夫婦関係 ……
せめてもの救いの綾香と言えば、ロ-リ―製薬に就職した途端に、あれだけ綾香の為に力を注いだにもかかわらず、連絡をしてもなしのつぶて、会いたくて会いたくて待ち伏せをして、偶然を装い「久しぶり!お茶でもどうだい?」
「あの~今急いでいますから」それからも何度も偶然を装い待ち伏せを……
挙句の果てには「教授もうこれ以上付きまとったら訴えますよ、教授職を失いたくないなら、もう私に付きまとわないで下さい。」
それでも諦め切れずに、大胆にも家にまで訪ねて行ったのです。
両親もいつ伺っても大歓迎してくれるので、図々しいと思いながらも、綾香会いたさに足を運んでいたのです。
以前両親も、大学生の綾香から就職の事で力になって貰ってる教授だから、大切に扱ってねと口が酸っぱくなるほど言われていたので大歓迎です。
そんな度重なる来訪に、綾香も腹に据え兼ね警察に訴えてしまったのです。
そして教授職を失い、ショックの余り睡眠薬を乱用してあわや死の淵に……
郷里に帰っても,セクハラ教授の汚名を着せられ、子供の頃から英雄視されてチヤホヤされて来た教授が、今では変態扱い……
白い目で見られる事に耐え切れず、又妻からは冷遇されて、最近では粗大ゴミ以下の扱いだったのです。
心労が重なり病を併発、そして肺ガンであっという間に亡くなってしまったのです。
悶々とふさぎ込み、身体の異常に気が付かなかった為に、手遅れになってしまったのです。
妻の直子は、今でもあの日の事を、鮮明に覚えているのです。
あの若くて美しい綾香を抱いていたのかと思うと今更ながら、腸が煮えくり返る思いなのです。
{私が千回生まれ代わってもあの造形には到底なれない、私の全てを注ぎ込んで尽くしてもももう最初から勝敗は決まっている!!!それが証拠に、夫の目に私など存在しない、あんなに酷いことをされても、死に逝く今でも、綾香への炎の灯が消えることは無い、憎い!憎い!!許せない!許せない!許せない!!!殺したい!!!}と妻の直子は思うのです。
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