***** 司のル-ツ *****
司の父親修司は、東京都港区に大規模に弁護士事務所を展開している敏腕弁護士なのです。
実は修司の先祖は高知県出身の歴史上の大層な偉人なのです。
修司の父親勲も衆院議員を歴任した人望の厚い、立派な人物なのです。
人様から見れば一点の曇りも無い、絵に描いたようなお家柄ですが……
この勲さん実は、とんでもないくせ者なのです。
”英雄色を好む”とはよく言ったもの
後妻の真知子とは大恋愛の末結婚したのですが、真知子は花柳界に身を置く身分の貧しい漁村の娘で9歳で親に売られて花柳界に……
前妻に先立たれ、気を落としていた所を、悪友が花街に誘ってくれたのが始まりです。
花街で1 2を争う人気の美しい真知子に一目惚れをして、親の反対を押し切り、強引に結婚したのですが⁉
結婚して1年も経たない内に、不慮の事故で亡くなっているのです。
その時の勲の嘆き様ときたら痛々しくて見ていられない程だったのです。
それだけあの美しい妻真知子を愛していたのです。
それでも、愛妻の忘れ形見……
一粒種の男の子剛を、残してくれたのでそれはそれはそれは溺愛して育てたのです。
勲には、他に愛人が何人かいたのです。
秘書の幸代とは5年にも及ぶ蜜月♡
それに講演会の未亡人由紀等々
とんでもない艶福家なのです。
その為、前妻が亡くなった時は、にわかにザワ付き愛人達が、次は絶対に私が妻の座を……
とほくそ笑んでいたのです。
それをまさかあの卑しい身分の芸者なんかと⁉
とんびに油揚げをとはよく言ったもの―――― 何故?
許せない!犯人はもっぱら愛人達だとの噂…………
最近は秘書の幸代が、妻同然のように家に上がり込んで、事務所スタッフやお手伝いさんを顎でこき使う有り様…………
又未亡人の由紀は、色っぽい和服姿のそれはそれは妖艶な、勲もこの色香に参っているのです。
秘書の幸代は、仕事が出来ると評判の議員会館の事務員…………
評判を聞き付け、お国の為に頑張って貰おうと、幸代を強引に引き抜いて来て直属の秘書にしたのです。
その為勲は、幸代に頭が上がらないのです。
2年の歳月が流れ、勲も最近やっと愛する真知子の事も、徐々に忘れかけて⁉
前を向いて歩かなくてはと⁉あきらめにも似た気持ちなっているのです。
そして今横に居るのは、幸代では無く由紀なのです。
一体どういう事なのか⁉
その話は又後から・・・
そして修司の世代になり あの幸代は?
修司は一体誰の子なのか⁉
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