印田文明

僕は中学二年生の時、クラスの変わり者の女子から聖水だという水をもらった。ただではなく一万円で。 それから十年後。 僕は同窓会にやって来ていた。 彼女を一目見るために――――。 …

ただ、年の瀬に神社で、かぼちゃを転がす。 東北に実際に伝わる行事をもとに、 少し不思議な物語を書いてみました。

最初の部分は野林様の文章で、続きは私が書きました。

ポンコツバイト女性のなかには、発達障害の人もいたかもしれないと今になっては思います。しかし、養育するのは難しいですね。なんらかの参考にしていただければ幸いです。

高校生の時に書いて、県コンクールで佳作を獲った短編です。 2019年夏、短編がほしいという要請があったので、記憶を辿ってリライトしました。

五十路男性の戸比と三十路女性の瀬名は、時同じくして軽い肺炎を患い、地元の病院の点滴ルームで出会う。戸比は己の境遇から「死んじまいたいな」と呟く。瀬名が来て隣で処置を受けるが、戸比…

俺はただ単に妻に楽して欲しかっただけなんだ。 お題付き掌編練習。 「夏休みの日曜日「お昼ご飯何が食べたい？」と聞く妻に夫が一言「簡単に冷やし中華でいいよ」と言った。 とい…

日常に潜む、微かな、確かな、だが確実に残酷な苦しみの数々。コロナで翻弄される毎日。血を吐くように生きる人々の一幕。 オムニバス形式で物語る、人々が煙草を吸った初めての日。小さな…

新しい網戸を買うために新しいホームセンターに行くと……

「私に、記憶をください。」 少女は一人、神社でつぶやく。 いじめが当たり前だった日常。…それを覆せるものを、今見つけた。 目の前に現れた、はかま姿のお兄さん。 お兄さんはにっ…

新型コロナウィルスの流行により以前のようにライブができなくなり、スリーピースのインディーズバンド「とりのぉと」の活動は停滞していた。 ギタリストの私は空いた時間でDTMの勉強をは…

入院患者たちはみんなクセが強かった !? 患者さんたちが垣間見せるそれぞれのビョーキ具合をお話しします！ 他人のビョーキ見て我がビョーキ治せ！ 身体も精神も健康一番！

三十代女性である楓はある病気での高熱の中、 過去の自分を振り返る。 小学生時代に、人とは違う身体で生まれてしまったこと。 中学時代に初めて入院と手術をしたこと。 そして社会人とな…

海と山に挟まれた町「八浦」の物語。 高校二年生の浅海 澪は両親から一方的に課せられた将来への期待にうんざりする日々を送っていた。 夏休み前の定期試験を控えたある日、学校帰りの買…

第四部Bの続編になります。内容へのレビューがネタバレになる場合がありますので、ネタバレありにチェックをつけていただけるようにお願いします。 オールドルーキー。新人ではありながら…

あるきっかけで始まった僕と彼女の武蔵野論争。 意味のない議論と、意味のない怒りが僕たちを武蔵野探しへと駆り立てる――― 第2回角川武蔵野文学賞応募作品。

　近未来の日本では人類の悲願とも言える不老不死の研究は様々な方面で進んでいた。中でも脳組織の研究は大きく進歩し、個人の思考を完全に再現出来る人工頭脳の実用化に成功していた。将来的…

第2回角川武蔵野文学賞によせて書きました。

《作風はコミカル・シリアスなミステリー、自伝的エッセイ風、探偵小説》クスリと笑える探偵小説。居酒屋店員、コンビニ店員、花屋、雑貨店主、30名の人物が全員生きて躍動。 《物語の主…

柊千尋は大学二年生でありながら、記憶喪失によって高校時代の思い出が一切ない。ある日、千尋の友達と名乗る人物から連絡が来たのだが……

　世田谷の小さな公園に、目を失明させられ、耳を聞こえなくさせられ、声を失わさせられ、手足を失わさせられた身元不明の男が放置された。 　捜査を担当するのは、新人の刑事・諸星凛だ。性…

遠野には河童や山男など不思議なものがたくさん潜んでいるという。隣村を目指して朝もやの中を歩いていた花子は、「くらすとでるま…」という不思議な声を聞く。辺りを見回すと、そこには真っ…

　私の名前は江戸川一《えどがわ はじめ》。三十年前にイケメン高校生探偵として名を馳せた名探偵だ。 　さて、今回私は助手を募集したいと考えている。 　条件は若い女の子。私はもう五…

かつての想い人からの依頼。戦地に赴く彼に代わって、相棒のドッグタグを故郷の教会へ運ぶ役目。その帰り道、私は花咲く道で、うずくまる人にろうそくを手渡す。赤い花が脈打っていた、燃えて…

【挑戦状付き！】 魔王を名乗る謎のぬいぐるみによって、奇妙な館に監禁された魔法少女たち。 始まったのは、秘密裏に仲間を殺し、自分が犯人であることを全力で隠し通す推理デスゲーム。…

連作短編ミステリ。池袋。［予言者コウジョウ］の言葉通り「世界」は、白い結晶に覆われて続けて行く。それは、致死率100%のウィルス「白チ病」 が蔓延した結果としての“終わり”。絶望…

ソイツは突然やってきた。 「俺さ、前世で殺されたんだ」 と柔らかなハスキーボイスな声を出すその犬は、僕を驚きでひっくり返すのには十分すぎる出来事だった。 犬が人語を話すうえに前世…

九才の夏休みの楽しい思い出は、いつも笑顔だった同級生とその上の階に住んでいた素敵なヒト。でも守れなかった一つの約束が気になった私は十三年後の故郷の町で不思議な出来事に遭遇し…。

　あらすじ　 　岡っ引きの新右衛門は、居酒屋である豊島屋と長屋の間に侍、右近の絞殺死体を見つけた。右近は縄で首を、絞められていた。また右近の首には、首を絞められた時に縄を外そうと…

女神の加護によって強力な魔術の力を発揮する鉱石、レガリア。 迷宮からのみ産出されるこの稀少な鉱物を手に入れるため、迷宮街アレキサンドーラには数々の冒険者が集っていた。 ある日、全…

知人に紹介され、ある霊能力者さんに会った時、私はこう言われました。 「あなた、チャンネルが全部開いてるわ！」 ……？！　 チャンネルって何だ、と問えば、この世界にはたくさんの次…

2020年6月『カクヨム2020夏物語』中間選考に残りました。 ２０２０年の夏。 会社の先輩が新型コロナウィルス感染症に感染してしまった！ 濃厚接触者となった僕はPCR検査の結…

旅先で殴り書きのように書きつけた思いを寄せ集めて文章にしてみる。そんな詩集を作っていこうと思いました。テオドールの表題は、私が一番愛している詩人の名前からもらって来ました。

　幽霊事務所、アオガネオフィス……そこは、女性の幽霊を専門とするお悩み相談機関。 　ある日アオガネとその助手チュベロサの下にリラクと名乗る女性が来訪する。曰く大切な人を探してほし…

かつて一世を風靡したゲームがあった。 多くのゲーム好きが待望してやまない仮想世界へ自分自身が入り込んだと、そう錯覚するほどのゲーム。 これまで視覚を外部から切り離し、没頭しやすい…

毎日は更新できません！( ;∀;) 不定期更新になります。 気が向いたときに書きます。 なので、大したものも書きません。

地球温暖化が進んだ世界で、影達は自由を求めた。 アバディーン・アンガス様 https://kakuyomu.jp/users/Aberdeen-Angus の自主企画 お題「…

更新停止中。 三国志の時代から下ること二百年。中原には異民族が割拠し、漢族は旧呉の地へ退去を余儀なくされていた。そのような中を這いあがってきた男がいた。男の名は、寄奴。のちの…

憧れの記者の背中を追い、その記者の母校である神楽大学の新聞部に入部した佐倉創一。ある日佐倉は、自分以外が決して使うことのない新聞部の部室で、見知らぬ女学生が眠っている奇妙な状況に…

いつか将来現れるかもしれない、「精神」の感染症

二階建ての新築アパート。金木犀の花が散り、刹那の密室が生まれた。 十分間のゴミ捨てから帰った阿良木は部屋に転がる死体を見て隣人の細谷を呼ぶ。容疑者はたった二人。お互いに自分は犯人…

２話目でお願いします。 せっかくだから、思いついたことを。 ただのネタ帳です。

普通の男子高校生だった苗宮喜初（なえみやキウイ）、十六歳の誕生日に秘められた血の力が覚醒し、なんとすべての猫から好かれる体質になってしまった！ 「あなたはマタタビの遺伝子を持つマ…

　少しだけ未来、現在の延長線上。 　人々に、いわゆる”超能力”というものが発現し、社会がそれを前提として再構成されつつある時代。 　それに合わせた新たな法律作り、ルール作りが進…

父危篤の知らせを受けて家族で向かった田舎の特別養護老人ホーム。 臨終には間に合わず、叔母から受け取ったのは、父のスマホでした。 その中には、今まで知らなかった父が存在しました。

ふと浮かんだ独り言たち。 そういうものだよね、そういうものだよ。

　２５歳の会社員、田原智子は、作家になるという幼少期からの願いを叶えるために新人賞に応募する。しかし結果はあえなく落選。失意に沈む智子は、大好きだったはずの執筆から遠ざかっていく…

道を走るスマホに出くわした僕は、好奇心にかられて後をつけることにする。 やがて辿り着いた場所はこの世のものとは思えぬ奇妙な場所であった。 ※ 2021年3月21日、作中の台詞に…