概要
いっそ、セックスしませんか?──五十路と三十路がいたる純不純文学
五十路男性の戸比と三十路女性の瀬名は、時同じくして軽い肺炎を患い、地元の病院の点滴ルームで出会う。戸比は己の境遇から「死んじまいたいな」と呟く。瀬名が来て隣で処置を受けるが、戸比は彼女の太腿を凝視してしまう。瀬名は去り際、戸比に「死にたいわりにご覧になるのですね、ふともも」と嫌味を言い、その一件から二人は秋くくり勝負をするようになる。
戸比は病で妻を亡くし、一人息子・優一郎とは疎遠になっていた。瀬名は母が入院中であり、仕事と看病に追われていた。
病院の駐車場で先を争っていた戸比と瀬名は、戸比を心配してやってきた優一郎の車とぶつかりそうになる。
瀬名は優一郎に愛人と間違われ、優一郎は戸比の妻には男がいたと暴露する。戸比は知っていたが、息子に知られていたことにショックを受ける。瀬名は別れたはずの
戸比は病で妻を亡くし、一人息子・優一郎とは疎遠になっていた。瀬名は母が入院中であり、仕事と看病に追われていた。
病院の駐車場で先を争っていた戸比と瀬名は、戸比を心配してやってきた優一郎の車とぶつかりそうになる。
瀬名は優一郎に愛人と間違われ、優一郎は戸比の妻には男がいたと暴露する。戸比は知っていたが、息子に知られていたことにショックを受ける。瀬名は別れたはずの
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!そして二人が交わるまでの話
肺炎がきっかけで通院することになり、点滴を受けるベッドで偶然にも隣り合った二人の男女。年齢も経歴も全く違う二人の内面が、文学的に綴られる秋の情景と共に、美しい日本語でエモーショナルに語られます。
……しかしそんな美しい日本語や、小気味好いテンポで綴られるのは、良い年した大人の意地の張り合い、煽り合い、マウント取り合う知識合戦。「病人同士で何やってんだ」と言いたくなるやり取りと、小奇麗な文体が良い意味でミスマッチしておりギャップがあり、何度も笑ってしまいそうになりました
とはいえ後半はそれぞれの『家庭』や『人間関係』にフォーカスが当たり、「そしてこの二人はセックスするのか!?」という当初からの…続きを読む