綺嬋

真面目さで友達を作ることはできない。 教室ではうまくいかなくて、逃げ込むのは図書室だった。 辞典類に紛れて差し込まれた小さなノートがわたしの救い。顔も知らないその子と、飾った言葉…

春を俟《ま》っています―――― 鶴のような真白の振袖をまとったそのひとは無人駅の端にたたずんで、いつも誰かの訪れを待っていた。誰を待っているんですかと訊ねた僕に、彼女は寒椿のよ…

「もうっ、さっきから人のことをかわいい、かわいいって何なのっ？」 「……っ。それは口に出して言ってないだろ？」 「伝わってくるんだから仕方ないでしょ」 　同い年で幼馴染同士の…

　私は梟である。名前は、ない方が自由に羽ばたけるだろうと瞳の魔女が言っていた。 　瞳の魔女の家からほど近い木に私は止まっている。出窓に置かれた花瓶越しに、宵色のローブに踝まで包ま…

主従百合オメガバースを読みたかったが全く供給がなかったので書いた 百合オメガバース増えてくれー(泣)

エッセイストでありコラムニストである真野宮万乃が、書籍として残さなかった走り書きのようなもの。それは娘が大事に保管していると言われている。

彼女にフラれた僕は何の気力も無くなっていた。 ようやく外出した僕は、おおきなクマのぬいぐるみを買った。

賽の河原で石の塔を詰み続ける事に嫌気がさした主人公は極卒を暴行し、解放される条件にこぎつける。 その条件は賽の河原の鬼10人vs人間100人で鬼ごっこをすると言うものだった。 条…

カクヨム【kac】企画で書いた短編などをまとめてみました。 お口に合うのはあるかしら？ どれもおおよそ三千文字程度。 読みやすいよ。寄っといで。

『――今度は、女が決める番―― 　バチェ●レッテ・ジャパニーズハイスクールへようこそ。 　一人の女子高生の真実の愛を求める冒険の旅が、本日、この日本の高等学校で始まります。 　そ…

　突然だが今、僕の視界には幽霊が存在している。 　少し肌寒くなってきた夜更けの通学路に、唐突に現れた。 　生まれてこの方幽霊なんて存在を目の当たりにしたことはなかったけれど、宙に…

　タイムマシンという代物に特別な魅力を感じてしまうのは何歳になっても同じだろう。 　手紙を埋めれば子どもの頃の思いを成人になってから手に取って読むことが出来る。 おもちゃを埋めれ…

　7時10分の四条烏丸は、今日も寒々しい。

ブルームーンのカクテル言葉 ①完璧な愛、幸福な瞬間 ②叶わない恋

　川瀬照子。 　今まで気にしたことすらなかった、隣の席の女子生徒。 　自らを『真剣師』と名乗った彼女と接する中で、僕は少しだけ、変わり始めた―――。

カクヨムコン6短編小説部門【佳作】受賞作 中学三年生の優斗は、夏休みの前日に二週間前から学校を休んでいる幼馴染の家に課題を届けに行く。 彼女の部屋に案内された優斗は、彼女の右腕…

秋の夜に待ち合わせてご飯を食べに行くだけの話。 ☆エブリスタ妄想コン「隠しごと」参加作品→優秀作品選出

田舎にぽつんとある、北野山駅。 駅長、西田拓郎はいつも通り最終列車を見送る。 しかし、誰もいないはずのホームには。 一人の、少女がいた。

les quatre saisons -四季-という紅茶専門のカフェを舞台としたお話です。 主人公茉莉香は、とある事情でこのカフェでアルバイトをすることになります。 そこで様々…

近未来の日本。大学生の狩科恭伽（かりしなきょうが）は、自分でない誰かになりたいと願い、所属する大学で行われる計算機の情報を人間の脳に直接接続して記憶として再生するＭＥＣ（メック）…

二次元中毒者で三次元嫌いの北原悠樹は、理解者である幼なじみと閉じられつつも平穏な日々を過ごしていた。 その日常をぶち壊すギャルゲーのような展開。 それはキャラクターが立った奇人…

高校生の優輝は、通学途中に事故に合い気を失う。 彼が目を覚ますと、人間大のトカゲに取り囲まれ身動きが取れなくなっていた。 トカゲたちの集落のような場所に連れられた優輝は檻に入れら…

自分はリア充グループの一員だと思っていた主人公、浅野広隆（あさのひろたか）はある日、グループからあいつキョロ充だよな、と陰口を叩かれているのを聞いてしまう。たまらず傘も差さずに外…

お笑い芸人を目指す高校生、田崎明人（たざき　あきと）は、いとこのお笑いライブの帰り道で不思議な石を拾う。 その石に触れた途端に気分が悪くなった明人は、路地裏に入り込んでしまい、そ…

物が擬人化した世界で、不良品と思しき物々……。彼女らがそこに存在している意味とはなんだろうか。所有者がとるべき行動は？ テセウスの船のパラドックスの解は、オールが取り換えられて…

祭りが佳境に差し掛かる。 もうじき舞が始まる。 僕らは祭りを終わらせる。 この作品はWeb光文社文庫Yomeba! のショートショート第12回テーマ「祭り」に応募しよ…

旅の途中、私は巨大な砂の山を見つけた。 頭に王冠を戴いたその姿を見て私はそれをこの地を統べる大王の様だと思った。

現代日本に暮らす或るヴァンパイア。 人間界に暮らし数百年になる彼は、人間の慣習になじんで平穏な日々を送っていた。 だが、4年に1度、どうしても憂鬱になる日があるのだった。

自主企画「評価が欲しい方、詳しく読みます」 https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054894635612 ※途中で終了しました。 主催…

●１章あらすじ 　大量調理従事者のユキヒラはある事故をきっかけに悪魔の住む世界に迷い込んでしまった。弁当屋の女悪魔テトラに拾われ弁当屋として働いていたが、取引先から「悪魔の料理…

スイとリコ、仲良しのふたり組はいじめの現場をみつけてしまう。なんとかできないかと、手を伸ばす。 いじめの表現は極めてマイルドにしています。残酷な表現はありません。 ※別作品「二…

異世界転移させられた主人公山野牡丹（やまのぼたん）は細々としながらも２年間異世界で暮らしていたが、ひょんなことからＳＳランク勇者パーティの荷物持ちにさせられる。 勇者パーティは、…

ファンタジーからホラーまで、ジャンルはなんでも（過激な描写があるものは＊をつけています）。 1話1話、完全に独立してるので、どこから読めます。 1話あたり、1000字以内です。本…

これは世のあらゆる災厄を封じた地、 トゥアハ・デ・ダナーンに伝わる物語。 怪物が跋扈する森、妖精の悪戯に翻弄される人々、 蠢く悪意、正義と正義、罪と罰が巻き起こす騒動は、 やが…

トラックに轢かれて異世界転生し、圧倒的なチートで世界を意のままにする主人公。 しかし最近はある気がかりのために、上の空になることが多かった。 彼は気兼ねなく異世界ライフを楽しむた…

私には推しのアニメキャラがいる。 現実に彼氏もいるけれど、やっぱり私は「零士様」が一番！ そんなある日、彼氏から別れを告げられて……？ 推しがいる幸せの結末は。

　環境破壊、資源の無軌道な消費、国債の乱発による国家財政の破綻、極端な少子高齢社会。 　現代が未来に押し付けた負債からの解放を目指し、未来人達が現代の国家に宣戦布告。その戦いによ…

錬金術師の遺産を受け継いだ青年はハロウィンの夜、月の女王と出会う。 連れ去られた月の女王を追い、イノウ探偵神宮寺那由多と錬金術師はゴーゴンの三姉妹の力を借り過去にもどる。

「私、100日後に死ぬんだって」 「……は？」 　今までまったく話したことのなかった女の子から、いきなり自分の余命を宣言された不良少年「空門アゲハ」 　この日を堺に彼女「柏…

私は機械だ。 骨と肉、それに神経で作られた操り人形。　　心すらそう。 どうして私は機械なのだろう。

音楽教師である藤代先生と、付き合っている常磐。 ふたりだけの幸福の時間は、長くは続かない。 ある日、噂が流れたことで、ふたりの関係は瓦解する。 私が貴方に抱いていた想いと …

クラスメイトの菊池くんが逮捕された。 容疑は一家殺害。 学校の周りにはマスコミが溢れ、登下校は憂鬱だった。 そんな僕の前に一人の記者が現れて――。 知っている人間が容疑者に…

僕は画家だ。 　 人と喋る事がちょっと苦手で、いつも絵ばかり描いて暮らしている。 そんな僕は一人の天才少女に絵の描き方を教えていた。 瞬く間に僕から全ての技術を盗み取ってしま…

「かく」をする二人。二人が歩む、青春の道。

「午後3時、バラ園にて待つ」 この手紙が開封された瞬間、サプライズが成立しなくなったのである。 企画に参加させていただいたので、ここで紹介します。 深川夏眠 様　　🌹…

窓際のベッドは私の指定席。 教室にいると息ができなくて、いつもここに逃げてしまう。 【きつねのなにかさん主催の青春短編企画用への書き下ろしです】 https://kakuyom…