長いものに巻かれて世間をロールして生きていくか。
世間の流れに乗れなくても、自分のやりたいことを追いロックに生きていくか。
多感な時期の青い人間関係を、悩みもがいて模索していく一組の少年少女の足跡が、一歩一歩丁寧に書き綴られています。一時の思い付きのみではない確かな努力の積み重ねには説得力があり、主人公達の一生懸命さが伝わってきます。その現実離れした展開ができない日常ものならではの作り込みは、強い共感を生み、読者を物語へ引き込んでくれます。
この物語で大切だと思ったのは、違う生き方をしていく人たちを決して否定しなかったことです。雨が降らないと虹は出ませんが、雨が降らない快晴だけの天気も、あっていいのです。
誰も悪くはない。ただ合わなかっただけ。
今、それはとても重要なことですよね。