「終末の世界」を含む小説

　偽物の空すらこの場所には存在しない。頭上にあるのはどこまでも続く灰色の天井だけ。人はいつしか有限の水槽の中で、無限の空を想像しながら生きる存在になってしまった。 　空が青い、…

少女は思い出せない。 自分がなぜここにいるのかを。 なんとなく彼を知っているような気はした。 終末の世界での出会いは、なんの意味があるのだろう？ ……彼女には、なにもわからない。

終わりゆく世界で、カナリアと出会う静かな時間。 【Twitter企画タグ：#週一創作ワンライ】 お題 ・茶色 ・金木犀 ・少しだけ寒くて、 ・用意したはずなのに ・「すっかり忘…

国の誇りと意地の張り合いで発生した戦争――。 戦争は長期化し、終戦する前に両国とも力尽き、消えた。 戦争で世界は傷つき、世界は憤怒した。 そして、人類は、世界から嫌われた。 だか…

　世界はどうやら終末を迎えるようだ。 　映画のように世界を救うものはどうやら現れなかったらしい。 　大規模な暴動や略奪はとうの昔になりを潜めた。もう誰もそれを起こすエネルギーが残…

横浜の住宅街で発見された、体中に無数の欠損を持つ外国人女性に端を発し、致死性の未知の病が、人々の間に人知を超えた恐るべき速度で広がっていく。 さらに日本各地で頭部の潰れた遺体が同…

――もうすぐ無くなる世界で、僕ときみは、六人の作家が描く場所をおとずれる。 　本作品は六人の作家によって紡がれる、リレー小説になります。 　バイオ兵器を使用した戦争で、生物の…

世界は終わった、だけど、ここに二人がいるんだから終わってない。 吹かした煙草の煙が二人を優しく包み込んでいく退廃的ハートフルコメディ。 タバコはエアプというかタバコに憧れるイ…

【カクヨムプライベートコンテスト Vol.03　『魔法×ミステリ』「気になったで賞」受賞作】 人の心をつかむ才能に長けた――人たらし。自分を人誑しの天才・豊臣秀吉の生まれ変わり…

世界のおわるとき

元美大生の若者。現在は配送業のアルバイトで生計を立てている。彼がふと立ち寄った屋上で見た光景は…

人類が長年追い求めてやまなかった夢、不老長寿。 それを長年の研究の末に実現させた科学者ニコル・ルーヴィエは、次なる目標を世間に掲げた。 それは、不老不死。小説の中にしか存在し得な…

次々と人間が灰化して滅びつつある世界で精いっぱい生きる誰かの生存記録

　彼女と別れた世界の終末の出来事を、僕はよく覚えている。方舟の中で眠り続ける僕は、もっとも印象に残っているこの5分間を繰り返し夢の中で反芻するのだ。 　僕の眠る場所に彼女はいない…

　ナメクジは小さかった。 　わずか４センチメートルの体長しかなかった。けれど、寿命はなかった。

鋼鉄をも融かす毒の雨が降り続け、人類の文明は崩壊した。 世界の最果てに《雨の降らない楽園に繋がる橋》があるとの噂を頼りに、長い旅を続けてきた男は遂にその橋にたどり着いた。だが橋の…

未来を舞台に描いた十一の短編を集めたものです。 どれも独立した話で、時代も背景もバラバラですが、できれば掲載順通りに読んでいただくと作者としては幸いです。 ※　陰鬱な話も含まれ…

一度目に目を開いた時、世界は青かった。 二度目に目を開いた時、世界は赤かった。 三度目に目を開いた時、世界は… 三度目に目を開いた彼女がなにを見てなにを感じたのかを知るものは…

マーウェ・ハクラ・サマーリーと言う少年は砂漠の国にある辺境のとある村で慎ましやかに暮らして居た。 今日は村の創立日。 そのお祝い事の準備で村中は大忙しだ。 腹が空く頃村長の孫娘で…

　世界のどこかに光を見つけたとして、僕達はそこまで辿り着くことが出来るのだろうか。そしてその先には一体何があるというのか。