天を臨む繭の子ら

作者 星崎ゆうき

74

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★★★ Excellent!!!

ひとこと紹介は本文からの抜粋。

三人が描く群像劇。

絶望ではない、希望のお話。

そう言わせてください。そうでないと心がもたないほど悲しい物語になってしまいます。

例えば、現代の僕らは、個人個人が空を飛ぶことができません。当たり前ですが。
そのように、彼ら彼女らの望む(臨む)ものも、無いのが当たり前の世界であってほしいです。

そんななかでの奇跡の物語ならば、誰が何と言おうとこれは希望です。

★★★ Excellent!!!

現在から少なくとも150年以上が経過した未来。オゾン層の消失によって人類が地底都市で暮らすことを余儀なくされた時代の物語です。

共に過ごせる時間の終わりを告げられた少年と少女。
そりの合わない父親との関係。
ジオフロントを舞台に設定を作り込んだSF短編でありながら、その核には、ままならない現実に翻弄されながらもまっすぐに歩こうとする人間たちの繊細な人間模様があります。

たとえ終わることがわかっている日々だとしても、今を生きる。
切なくも爽やかなラストシーンは必読です。

★★★ Excellent!!!

……え? 言い過ぎですか? いや、私はそうは思いません。
この作品は遠い未来、空の色を知らないだけではなく、今の時代では「当たり前」の様々なことが当たり前じゃなくなり、悲しみ・過去の人間に憤る主人公たちの姿が描かれています。
しかし、この作品が本当に伝えたいことはもっと深いところにあると私は思いました。
それは「感謝」です。
このようなことになった原因は、作品の中の時代では「奇跡」と言える程幸せな時代に生きている現代の私たちが、その幸せがあまりに身近で「当たり前」過ぎるあまり、「感謝」の気持ちを忘れ、ないがしろにしてしまったからに他なりません。

これは空の色に限ったことではありません。
健康とか友達とか「当たり前」で「大切」なものは、「感謝」の気持ちを忘れるといつか失ってしまう。
そんなメッセージをこの作品から受け取った気がします。
あなたもこの作品を読んで「当たり前」の幸せを思い出してみませんか?
その「当たり前」で「大切」なものを失ってしまう前に、

★★★ Excellent!!!

青い世界は誰のものなんだろう。

ほんとうの青に逢いたいと願う子供たちを取り巻く環境は厳しく、その想いは容易に叶わない。
それは、子供たちのためでもあるのだが――。


いったい誰が、世界をこうしてしまったの。

限られた空間の中でどこまでも広がる空を想う。
少年少女の思う気持ちはひたむきで真っ直ぐで。
例えその先に何が待っていようとも彼らは――。

空の青さはあたりまえのものではなくて。
大切な人がそばにいてくれることもまた。


胸に深く刻まれた少年たちといつか、話をしてみたいと心から思いました。いつか、また。


素敵な作品をありがとうございました!









★★★ Excellent!!!

 終末的世界の中で、本物の「空の色」を追い求めた少年・少女たちの物語。短編でありながら、人間の命の尊厳や、家族・友人関係が分かりやすく、しかし深く、表現されている。
 地球にオゾン層がなくなり、子供たちは外へ出ることを禁じられた。癌患者が増える中、一人の少女もまた、病院に入院することとなる。彼女は「本当の空」を見ることを夢見ていた。そして、主人公が父親と仲直りすることを望んでいた。退廃的な世界観であるが、登場人物たちの感情はみずみずしく、豊かである。この世界観と感情表現の対比が、切なさや優しさをより引き立てている。
 知識や説明に織りこまれる、少年・少女たちの仲間への想いが、短編とは信じられない濃さを持っていて、読んでいて驚いた。

 是非、是非、ご一読ください。