概要
空が青い、そんな単純な言葉でさえ、そこには沢山の想いがこめられている。永遠が叶わないのだとしても、今この瞬間、奇跡の只中にいるのだと、そう感じることができるのであれば、それは幸せなことかもしれない。
ほんとうの青に逢いたいと願う子供たちの物語
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!この作品を読まないと、あなたはいつか大切なものを失います!
……え? 言い過ぎですか? いや、私はそうは思いません。
この作品は遠い未来、空の色を知らないだけではなく、今の時代では「当たり前」の様々なことが当たり前じゃなくなり、悲しみ・過去の人間に憤る主人公たちの姿が描かれています。
しかし、この作品が本当に伝えたいことはもっと深いところにあると私は思いました。
それは「感謝」です。
このようなことになった原因は、作品の中の時代では「奇跡」と言える程幸せな時代に生きている現代の私たちが、その幸せがあまりに身近で「当たり前」過ぎるあまり、「感謝」の気持ちを忘れ、ないがしろにしてしまったからに他なりません。
これは空の色に限ったことではありません。
健…続きを読む - ★★★ Excellent!!!見せたいんだ空を。ほんとうの空を、ほんとうの青色を君に――。
青い世界は誰のものなんだろう。
ほんとうの青に逢いたいと願う子供たちを取り巻く環境は厳しく、その想いは容易に叶わない。
それは、子供たちのためでもあるのだが――。
いったい誰が、世界をこうしてしまったの。
限られた空間の中でどこまでも広がる空を想う。
少年少女の思う気持ちはひたむきで真っ直ぐで。
例えその先に何が待っていようとも彼らは――。
空の青さはあたりまえのものではなくて。
大切な人がそばにいてくれることもまた。
胸に深く刻まれた少年たちといつか、話をしてみたいと心から思いました。いつか、また。
素敵な作品をありがとうございました! - ★★★ Excellent!!!君が望んだ空の色を、きっと。
終末的世界の中で、本物の「空の色」を追い求めた少年・少女たちの物語。短編でありながら、人間の命の尊厳や、家族・友人関係が分かりやすく、しかし深く、表現されている。
地球にオゾン層がなくなり、子供たちは外へ出ることを禁じられた。癌患者が増える中、一人の少女もまた、病院に入院することとなる。彼女は「本当の空」を見ることを夢見ていた。そして、主人公が父親と仲直りすることを望んでいた。退廃的な世界観であるが、登場人物たちの感情はみずみずしく、豊かである。この世界観と感情表現の対比が、切なさや優しさをより引き立てている。
知識や説明に織りこまれる、少年・少女たちの仲間への想いが、短編とは信じられ…続きを読む