「カクヨム甲子園2024」の最終選考結果発表&小説執筆キャンペーン開始!

「カクヨム甲子園2024」の最終選考結果を発表しました。
大賞:2作品
読売新聞社賞:2作品
キングジム賞:2作品
浅原ナオト特別賞:1作品(※ロング部門のみ)
奨励賞:10作品

合わせて17作品が入賞となりました。
また、本記事の末尾に、浅原ナオト特別賞選考委員によるロング部門最終選考作品の選評を記載しております。ぜひご一読ください。

kakuyomu.jp


今回はロング部門、ショート部門の両部門を合わせて、過去最多の2,179作品が投稿されました。 多数の力作を投稿してくださった皆様、並びに読者としてご参加頂いた皆様に、改めて深く御礼申し上げます。

カクヨム甲子園2024参加者限定!小説執筆キャンペーン

「カクヨム甲子園2024」に作品を投稿されてから、少なくとも3ヶ月以上。
勉強に部活に忙しいみなさんは、なかなかそれ以降書く機会を得られていない方もいるのではないでしょうか。
結果が発表されて、悲喜交々とは思いますが、ぜひ、今もう一度小説を書いてみませんか?
というわけで、
応募終了時点(2024年9月12日11:59)時点で「カクヨム甲子園2024」に応募されていたユーザーの中から、
12月20日(金)12:00〜1月31日(金)23:59の間に、新規で400字以上の小説を投稿された方を対象に、抽選で50名に「カクヨム甲子園2024特製しおり」をプレゼント。さらに、抽選で10名にカクヨム運営スタッフより作品への応援コメントをお贈りいたします!

▼カクヨム甲子園2024特製しおり

<開催期間>
2024年12月20日(金)12:00 ~ 2025年1月31日(金)23:59

<参加方法>
①期間内に400字以上の作品を新規に執筆
「カクヨム甲子園継続執筆」タグをつけて作品を公開(「」は不要)
※応募作品の改稿作などを、別作品として投稿する形でもOKです。

<賞品>
カクヨム甲子園2024特製しおり(抽選で50名)
応援コメント(抽選で10名)

<結果発表>
発送・応援コメントの送付をもって発表とかえさせていただきます。
※カクヨム甲子園2024特製しおりの当選者には2025年2月中に、カクヨムに登録しているメールアドレスへご連絡いたします。
※応援コメントの送付は、2025年2月中に行う予定です。

<注意事項>
・キャンペーンの終了後に作品の修正・更新を行う場合は、作品を公開した状態で行ってください。キャンペーンの終了後であっても、応募作品を非公開にすると、当該作品は抽選対象外となる場合があります。
・一度投稿された作品の取消・削除を行うと、当該作品は抽選対象外となります。
「カクヨム甲子園2024特製しおり」の送付先情報を伺うため、「contact@kakuyomu.jp」からのメールを受信できるように設定してください。メール不着の場合は、賞品をお送りすることができません。

【浅原ナオト特別賞】ロング部門最終候補作品選評

浅原ナオト特別賞の選考を担当した各社編集担当者から、最終選考作品のすべてについて選評をいただきました。ぜひご覧ください。
※キングジム賞受賞作品については別選考のため、選評に含まれておりません。

大賞「満月と卵焼き」(著者=蘇芳ぽかり)

 ある意味世界にとっては何も起こっていない日常を、これほどドラマチックに、魅力的に書けるのは凄いなと思います。等身大な人物造形だからこそ、彼女のことが気になって惹きこまれました。どこまでいっても完全に他人とは分かり合えないかもしれない。でも、分かり合いたい人がいる、という部分には希望と勇気を貰いました。
(スターツ出版編集者S)


読売新聞社賞「まっすぐ弓を引いて」(著者=利他)

 突出して大きな事件が起こるわけでもなく、男女が出てくるからと恋愛に直結するわけでもなく、青春のモヤモヤを自分たちの身の丈にあった言葉でぶつけ合う二人の会話に、不思議な魅力を感じました。漫画を読んでいるかのように絵が浮かぶ物語でした。
(新潮社編集者T)


浅原ナオト特別賞「声を紡ぐ」(著者=吉野なみ)

「言葉」によって傷つけられ、でも、その「言葉」を使って小説を書き、自分の苦しみを乗り越えようとする設定がよかったです。辛かったことも悲しかったことも今までの経験を武器にして小説を書く——物語中にあったその心意気でこれからも書き続けてほしいと思いました。
(幻冬舎編集者T)


奨励賞「ドッペルロボット」(著者=天井 萌花)

 設定と展開が着地点に向かって真っすぐと進んでいき、テーマ性が非常にわかりやすく、一貫性が魅力的な作品でした。一方で同時に予定調和的な側面が少し感じられてしまったので、例えば、主人公の悩み葛藤を少し掘り下げたり、ドッペルロボットの悪意を仄めかすなど、もうひとつ変化があればさらに素敵に感じられたかもしれません。
(スターツ出版編集者S)


奨励賞「少しだけ世界に魔法をかけて」(著者=ぐらたんのすけ)

 息苦しさを感じている主人公が、半ば強引に自分を正当化する物語。その中である意味“異常”な行動を起こしていくという展開は、勢いがあって最後まで惹きつけられました。ラスト、そんな主人公がどう自分と向き合うのか。期待していた主人公自身の変化があまり読めず、その点だけ少し物足りなく感じました。
(スターツ出版編集者S)


奨励賞「AI彼氏と協力して現実で彼氏を作る話」(著者=鶏=Chicken)

 ゲームのキャラクターを現実に召喚できるという突飛な話なのに、まったく気にならずぐいぐい読める文章力・ストーリー展開が巧みで、また中盤からギョッとするような変調を見せていくところや、後味の悪さも余韻を残す作品でした。
(新潮社編集者T)


奨励賞「心臓が満ちるまで」(著者=熒惑星)

 狂気の暴走で人口が激減した歴史を乗り越えるために感情を失うことが人間の進化だった500年後——この構えの大きい設定と、このなかで「恋」を描こうとする企みのチャレンジさに好感を持ちました。ただ「感情がある/ない」をもう少し緻密に描いてほしかったなと思います。
(幻冬舎編集者T)


奨励賞「瑞国伝」(著者=水野文華)

 この短さで大きな物語に挑戦されていて、ずいぶん歴史小説に親しんできた作者なのだなと、感心する文章力でした。それが一方で仇となったのか、ストーリーに既視感があり、史実に基づいていない歴史ファンタジーを書くならば、独創性をもう少し感じられたら……という印象が残りました。
(新潮社編集者T)


「ハッピーエンドの向こう側」(著者=暁 葉留)

 演劇を通し青春を取り戻していく過程が丁寧に描かれた熱量の高い作品でした。王道の展開の中にも、劇中と現実が重なり合うようなメタ的な構成が、程よいスパイスとなっていました。ただ分量の制限が足枷となったのか、駆け足になっていたようです。分量を意識せず各キャラクターの背景を掘り下げ書き上げたものを、また読みたいと思いました。
(KADOKAWA編集者K)


「きみの世界は無限愛。」(著者=おんぷりん)

 小説を書くことの喜び、葛藤が、感情豊かなキャラクターを通し丁寧に描かれ、小説に対する作者の熱い思いが伝わってきました。「締め切り」や「赤字」など、世界観を活かしたアイデアも、面白く読むことができました。まだまだ曖昧なこの世界のルールを綿密に設定し、ストーリーに組み込むことができれば、より完成度の高い作品になることでしょう。
(KADOKAWA編集者K)


「心」(著者=蘇芳ぽかり)

 大河ドラマを思わせるようなドラマチックなストーリー、ノスタルジックな世界観、表現力豊かな重みのある筆致、この分量で、この物語をよくまとめ上げたものだと感心いたしました。「等身大」という意味で同時応募の大賞作には一歩及びませんでしたが、まだ構想の一部分だと思いますので、二人の男性の一代記としてこのまま描き綴っていって欲しいと思います。
(KADOKAWA編集者K)


「死んだうさぎとタートルネック」(著者=初見 皐)

「ペットのウサギを殺して写真をSNSに投稿」という衝撃的な物語の導入と、愚かなウサギ「兎埼先輩」、年中タートルネックの後輩「カメ野郎」が魅力的でした。ただそこに比べると「ウサギを殺す」ことで何かを伝えたかった背景と、その相手である母親の描写が少し弱いとも思いました。
(幻冬舎編集者T)


「君に幸あれ」(著者=ひつゆ)

 取り返しのつかない現実に引き止められた登場人物たちの「先に進めない」苦しみに、胸が締め付けられました。感情移入できる部分とそうでない部分が混在していることも含め、リアリティのある作品ではありましたが、ストーリー自体はオーソドックスなので、結末にもう少し意外性が欲しいところです。
(KADOKAWA編集者K)


「けやきの夜明け」(著者=森谷はなね)

 主人公の直面した問題。そしてその問題と向き合う葛藤がしっかりと描かれていて、彼女の境遇、心情に共感し、応援したくなりました。救ってくれるヒーローの存在も魅力的です。ただ、一方でそんな彼女が一歩踏み出すきっかけが少し説得力に欠ける印象でした。同じく悩みを抱えるヒーローだからこそ言える言葉や、きっかけとなる出来事を読めるとさらに魅力的な物語になると思いました。
(スターツ出版編集者S)


「ゴースト・ライト」(著者=@qwegat)

 ≪ラブレター生成機≫が作り出した「2194匹のサンマによる忍者式自己批判の日々ですね」という一文に心つかまれ、「2194匹のサンマ」という言葉がラブレターとしての効果を発揮する関係があるかもしれないという<彼女>の回答に想像力を刺激されました。ただ後半、その世界の豊かさを活かしきれてないのがもったいなかったです。
(幻冬舎編集者T)

次回の開催情報につきましては、「お知らせ」ブログやカクヨムの公式X(旧:Twitter)で順次お知らせいたします。どうぞお見逃しなく!

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