カクヨム甲子園2022大賞受賞者インタビュー しがないさん(ロングストーリー部門『クレーのいた冬』)

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高校生限定の小説コンテスト「カクヨム甲子園2023」の詳細を発表しました。作品の応募受付は7月14日から開始します。

開幕に先立ち、今から作品の内容を考えている方、これから応募を検討したい方など、参加を予定している皆様へ向けた「歴代受賞者のインタビュー」をお届けします。

今回は、昨年のカクヨム甲子園2022《ロングストーリー部門》で大賞を受賞した、しがないさんにお話を伺いました。

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書くことをより体系化できた2年間

――このたびは2年連続での大賞受賞おめでとうございます。カクヨム甲子園に2年連続で挑戦してみようと思ったきっかけを教えてください。

しがない:前年度はショートストーリー部門で大賞をいただいたので、今年はロングストーリー部門に挑戦してみようという考えから挑戦することにしました。

――実際参加されて、2年連続の受賞となりました。カクヨムで書き続ける中で、カクヨム甲子園に挑戦するなかで、創作に関する成長や手応えは感じられた部分はありましたか。

しがない:普段は長編を執筆しているのですが、2万字以内という普段よりも短い字数で起承転結をつけるという思考を繰り返すうちに構成の仕方について以前よりも自分の中で体系化することが出来たと思っています。

――カクヨム甲子園で大賞をとられたこと以外に、参加してよかったと思うことを教えてください。

しがない7月の半ば頃から「1週間に1作品は書く」というルールを自らに課していたこともあって、書いていないものも含めて短い期間でかなりの数の物語を考えました。あれだけの数の物語を考える機会というのはなかなかないことだったので良い経験になったと思います。

記念品の表彰盾(制作:キンコーズ・ジャパン株式会社様)

書くことが書き手自身を救う

――『クレーのいた冬』はどのような着想で書かれた作品でしょうか。また自身で一番よく書けたと思う部分があれば教えてください。

しがない:パウル・クレーの「泣いている天使(es weint)」という絵を見て、これを題材にした小説を書いてみたいと思い立ちました。
 冒頭の台詞は真っ先に書くことが出来たのですが、それ以降の文章が続かず悩んでいる時に今まで純粋な恋愛小説を書いたことがなかったと思い、挑戦の意味も込めて恋愛小説を書こうと続く文章を書き始め、最後までその勢いのまま書ききりました。

――今年出された作品で特に思い入れのある作品を教えてください。

しがない:現在非公開にしている作品ではありますが、ロングストーリー部門に応募した「ふらん」という作品が最も思い入れのある作品でした。自分のやりたいことを詰め込むことが出来た作品で、応募した作品の中で一番楽しい作品だったと思います。

――受賞作の執筆はどのような方法で、また、どのくらいの時間をかけてされましたか?

しがない:プロットはなく、パソコンで4日ほどかけて書いたと思います。

――小説投稿は今後も続けていく予定ですか? その際にはどのような作品を書きたいと思っていますか?

しがない:続けていく予定です。面白い作品を書きたいです。

――最後に、カクヨム甲子園2023に挑戦する高校生にメッセージをお願いいたします。

しがないともかく書いてください。
 書き続ければ読み手に何かが伝わる、というのは願望に近いことなのかもしれませんが、書き続ければ自らの中にあった不定形なものが形作られていきます。
 小説は読み手がいてこそのものでもありますが、書くことによって書き手を救うものでもあり、それもまた小説の意義だと、僕は思うのです。
 どうしても書きたい、伝えたいことをひとつの作品に込めるでもいいでしょうし、手あたり次第思ったことを書き殴るでもいいです。もし筆を執ろうと思うことが出来たなら、何よりも先に書いてみてください。
 読み手にとって、あるいは書き手自身にとって、よい小説が書けることを祈っています。

しがないさん、ありがとうございました!

▶︎カクヨム甲子園2021でショートストーリー部門で受賞された際のしがないさんのインタビューはこちら

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▶︎カクヨム甲子園2022のショートストーリー部門大賞受賞者、三嶋悠希さんのインタビューはこちら

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「カクヨム甲子園2023」の応募受付は、 7月14日17:00から開始します。 皆さまのご応募、お待ちしております! またぜひこちらのキャンペーンより、参加表明、応援コメントをお願いいたします!

▼「カクヨム甲子園2023」特設サイト

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