カクヨムユーザー必見! Web小説におけるGoogle Analytics の使い方【基本編】

カクヨムの大きな特徴の一つとして、Google社が提供する高機能なアクセス解析ツールであるGoogle Analytics(以下GA)を利用ユーザーが使って、投稿作品のアクセス解析を可能としている点があります。

これによって読者の動向や反応を詳しく掴み、それらのデータをもとに執筆方針を検討するなど、Webならではの創作発表を実現することができます。

ただGAは多彩なデータを取得できる一方で、得られる情報量があまりに多く、どのデータを見ればよいかわからない、といったユーザーの声も多く頂戴しております。 そこで、今回はカクヨムでGAを利用する際の基本的な方法についてを記事にまとめました。

なお、GAについての説明や導入方法はこちらの記事をご覧ください。 kakuyomu.jp

カクヨムでGoogle Analyticsを使うメリット

紙や電子で配布する書籍形態と違い、Web小説では読者の反応を、感想や印象といった不確実な形式でなく、確かなデータとして受け取ることができます。

GAを使えるようになると、今まで作者がわからなかった「どういった傾向の読者が読んでいるのか」、「読者は何に興味を持って作品を読んだのか」、そして逆に「なぜ興味を失って作品を読まなくなってしまったのか」といった、「自作がどう読まれているか」についてのデータを分析することができます。

これらのデータを作品執筆に活かすことで、読者の反応を取り入れて、自分一人で執筆しているだけではわからなかった読者が本当に読みたかった作品内容や発表形式を提供していくことが可能となります。

これがWeb小説においてGAを使う最大のメリットと言えるでしょう。

基本的なGAの使い方を学ぼう

知りたい情報の項目を選ぶ

左側に表示されている「ユーザー」や「集客」といったメニューをクリックすると、集計データがそれぞれの切り口で表示されます。 「リアルタイム」では、今現在ページを訪れている人の人数や閲覧しているページといった動向をリアルタイムで把握できるため、読者の行動を知るのに役立ちます。

集計期間を変更する

表示データの集計期間を変更したい場合は、右上の日付欄をクリックして選択ください。 「昨日」「過去7日間」「過去30日間」といったプリセットから選ぶほか、任意の期間を選択することもできます。

作品分析に最適な解析データを見てみよう

アクセス状況の概要を確認しよう

投稿作品にどれくらいのユーザーがアクセスしているのか(どれくらいの読者がいるのか)を確認したい場合は、「ユーザー」カテゴリの「概要」ページを参照してください。

こちらでは「ユーザー数」や「ページビュー数」といった基本的なデータを確認できます。

  • セッション数: サイトへの訪問数、1人が2回訪れた場合は「2セッション」となります
  • ユーザー数: サイトへ訪れた人数、1人が2回訪れた場合も「1ユーザー」に数えられます
  • ページビュー数: 閲覧されたページの数
  • 平均ページ/セッション数: 一回の訪問で閲覧したページ数
  • 平均セッション時間: 一回の訪問で滞在した時間
  • 直帰率: 訪問後、リンクを1ページもクリックせずにブラウザを閉じた率

表示するデータを変更する場合はグラフの上にある項目から確認したい内容を選んでください。

読者の属性や傾向を把握しよう

読者の属性や傾向を知りたい場合は「ユーザー」カテゴリの情報が最適です。「ユーザー属性」ページでは性別や年齢といった傾向を把握し、ターゲットにあわせた戦略を考えることができます。 (例えば、若年層男性向けと思って執筆していた作品が、実は30代女性の読者が大半を占めていた...などということがデータから判明することもあるでしょう)

その他、「モバイル」ページでは読者がどういったデバイスで作品を読んでいるのかを知ることができます。例えばスマートフォンで作品を読んでいるユーザーの比率が多ければ、スマホで読みやすいように文面を調整することで可読性が上がり、PV数向上に貢献するかもしれません。

読者がどこで作品を知って読みに来たのかを知ろう

読者が作品にどのような経路でたどり着いたのか(どこで知って読みにきたのか)を知るには、「集客」カテゴリの「すべてのトラフィック」内、「参照元/メディア」ページが便利です。 TwitterやFacebookといったSNS経由で読みに来た読者が多い作品や、また外部のブログで紹介されたことで新規読者が流入した、など様々なケースが見て取れます。

読者に読みに来てもらうために作品を告知する際に、どのサービスを使えば高い効果が得られるのかを検討することができます。

なお、カクヨム内のリンクやブックマークから読みに来た場合などは(direct)と表示されることがあります。

検索サイトからやってきた読者の検索キーワードを確認しよう

検索サイトでの検索から作品を読みに来たユーザーの動向を知りたい場合は「集客」カテゴリの「キャンペーン」内にある「オーガニック検索キーワード」ページをご覧ください。 このページでは、検索から作品にやってきた読者がどのようなキーワードで検索していたのかを知ることができます。

タイトルやあらすじ、キャッチコピーの内容を見直すのに役立つほか、思わぬ作品・ジャンルの需要を発見することもあるかもしれません。

(ちなみにカクヨム全体ではなぜか「ヤンデレ」というキーワードを検索してページを訪れるユーザーが多いというデータがあります......どうしてでしょうね?)

読者がどこで作品を読むのをやめてしまったのかを知り、改善しよう

作品を読みにきた読者がどこで離脱したのかを知ることも、作品改善の上では非常に役に立ちます。 「行動」カテゴリ→「離脱ページ」では、ユーザーがどのページであなたの作品を読むのをやめてしまったのかを知ることができます。

例えば上の画像ですと、最も離脱が多いのは作品のトップページとなります。ここで離脱しているということは作品本文を読む前に興味を失ってしまったということなので、キャッチコピーやあらすじを見直して読者に「本文を読ませたい」と思わせる工夫をすることで、離脱率を改善できるかもしれません。

30%の人が本文を読まないでページを閉じている状況を10%改善するだけでも、新たに50人の読者を獲得できるのです。

また、離脱率の高いエピソードがあればその内容を確認し、他の離脱率が低い話数と比べて何が足りなかったのかを研究することができます(物語を退屈に感じたのかもしれませんし、人気キャラが登場しなかった、あるいは本文に難しい漢字が出てきて読みづらかった...なんてこともあるかもしれません)。

おわりに

以上、今回は基本編ということで、GAを見る上で「最低限これがわかれば作品執筆に役に立つ」という情報とその見方をご紹介しました。 ご要望が多ければ、もう少し深い使い方をご紹介するGA講座の応用編も検討させていただきます。

読者と書き手がダイレクトに影響し合うWeb小説の可能性は、カクヨムとGAによるアクセス解析を通じてまだまだ広げることが可能であると信じています。

今回ご紹介したのは基本的な情報の見方だけであり、GAではこれ以外にも様々なデータを取得することができます。 ご自身でツールをお使いいただくなかで、作品執筆の足がかりとなるデータの利用法をユーザーの皆さまがそれぞれ編み出して、ご活用いただければ幸いです。